不思議な出逢い

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「青柳君は……何の力を持っているの?」  他の人間には見えないソラが存在している、そして先ほどソラ自身が言っていたが、真結がいると出てこられる、これらのことを鑑みると、空にも何か特殊な能力があると考えるのが正しい。  空はしばらく何かを考えるように目を閉じていたが、やがて真結の方を向き、口を開いた。 「俺はサトリだ」 「えっ……」  サトリとは、人の気持ちを読み取るという、あのサトリなのだろうか。それとソラはどう関係している?  真結の戸惑いの表情をよそに、空は淡々と話し始める。 「知ってると思うけど、サトリは人の心が読める能力だ。けど、そんな力を解放していたらこっちの身が持たない。だから、普段はこれで力を封じている」  そう言って、シャツの腕をまくった。すると、そこには美しい珠が繋がったブレスレットがはめられている。 「わぁ……綺麗」  思わず声をあげてしまう。透明の珠は、おそらくクリスタルだろう。そして、透明感のある爽やかなブルーの鉱石、鮮やかな青に近い紫の鉱石も連なっていた。 「この二つの鉱石、何て言うの?」 「薄い色の方がコスモオーラ、濃い方がチャロアイト。どっちも沈静効果があると言われている」 「沈静……」  空は溜息を一つ零し、遠くの方を見つめる。
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