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「力を制御するには、精神力が必要だ。心を乱されると、制御できなくなる」
「……そうなんだ」
空の言うとおり、常に人の気持ちが読めてしまったら、それはそれで大変だろう。良いものばかりならいいが、ほとんどは表に出せない黒い部分だ。そんなものが四六時中聞こえてきたら、気が狂いそうになる。
そんな自分の能力を精神力で制御し、その助けにこのブレスレットが一役買っているという訳か。
「でも……それと、ソラ君はどういう関係が?」
すると、ソラはそれに答えるように、ブレスレットのコスモオーラを指差した。
「コスモオーラ……だよね、それ」
「うん!」
元気よくソラが答える。その後、面倒くさそうに空が補足した。
「強い思念を持つもの、わかりやすいのが宝石かな。鉱石も含まれるけど……そういったものを具現化する能力もある」
「具現化!?」
「こいつは、コスモオーラの鉱石に宿る思念が具現化した姿だ」
「……」
頭がこんがらがってきた。強い思念を持つものを具現化できる能力、そんなものは聞いたことがなかった。
例えるなら、精霊とか、付喪神のようなものが見える能力か。その力が真結によって増幅されたせいで、真結にもその姿を捕らえることができたということなのだろうか。
「君の考えていることは大体わかるけど、少し違う」
「え?」
心を読まれたのかと思い、心臓がドキリと音を立てる。
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