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細い入り組んだ道を行くと、可愛らしい雰囲気の店が見えてきた。
一見何の店かわからないが、店の名前「Milestone《マイルストーン》」という文字の上に「鉱石・パワーストーン」という表記があったので、そういったものを扱う店なのだと思った。
「青柳君は、鉱石が好きなの?」
空は店の扉を開けながら相変わらず素っ気無く答える。
「好きか嫌いか以前に、必要だから。二択なら、好きになるんだろうな」
「……」
普通に「好きだ」と答えればいいのに、というのは心の中にしまっておく。
無愛想で素っ気無くはあるが、答えてくれるだけまだマシなのかもしれない。
空は、店の出入り口近くにあるレジにいた人物にペコリと頭を下げた。
「お疲れ様です、大輝さん」
「お疲れ様、空君。あれ? その子は?」
真結が自己紹介しようと口を開きかけた時、背後からいきなり声がした。
驚いて振り返ると、目鼻立ちの整った所謂イケメンが、面白いものを見つけたといったような顔で立っている。
「いやぁ、まさか空が彼女を連れてくるとは驚いた!」
「違う!」
「違います!」
二人が全く同じタイミングで言ったものだから、イケメンは目をパチパチさせている。
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