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「え、でもすごく気が合うみたいだけど」
「うるさい、陸」
「空~、一応僕、年上なんだけど。年上には敬意を払おうね」
空はフイと横を向いた。真結は改めてイケメンを見上げる。
髪や瞳など、全体的に色素が薄い。明るい茶の色が彼の雰囲気によく合っていた。物腰柔らかい笑顔が、いい人そうな印象を与える。
彼は真結を見て、にっこりと微笑んだ。
「はじめまして。僕は森園陸といいます。この店の店長代理をやってるんだ」
「え、店長さん!?」
まだ学生のように見えるのだが、若く見えるだけなのだろうか。
「代理って言ってるのに」
「わかってるよ。でも、大学生くらいに見えたからビックリしただけ!」
間髪入れずに反論する真結を見て、陸はクスクスと笑みを漏らした。
「面白いなぁ。空に物怖じせずに話せる子なんていたんだ。こいつ、学校でも無愛想でしょ? 怖くない?」
陸に尋ねられ、真結は少し言葉に詰まる。
確かに無愛想ではあるが、怖いと思ったことはなかった。物怖じせずに話せるのは……たぶん、ソラが間に入っていたからだ。ソラがいなければ、こんなに普通に話せていない気がする。
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