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「君は何者だ?」
「え?」
真結が呆気に取られていると、空がもう一度同じ問いを投げた。
「何者?」
「何者って……」
どう答えればいいのだろう? 名前を言えばいいのだろうか。
「クラスメートの常盤真結です」
「知ってる」
「じゃあっ……」
「どんな力を持っているのかって聞いてる」
空の鋭い視線に、真結の心臓がドクンと大きな音を立てた。
目を見開いたまま立ち尽くしていると、空が小さく息をつく。
「別に取って食おうって訳じゃない。そんなに怖がられるのは心外なんだけど」
「でも……力って……」
心臓がバクバクとうるさい。どうすればいいのか、どう答えるのが正解なのか、真結は真っ青になりながら考える。
すると突然、温かい手が腰に回った。
「え……?」
「空! マユイを苛めちゃダメ!」
「苛めてないし」
ソラが真結にしがみついている。しがみつきながら、空に食ってかかっていた。
「でも、マユイが困ってる! 女の子を困らせちゃダメ!」
「お前が見える時点で、彼女は只者じゃない。何の力を持っているのか確認しなきゃいけないんだよ」
「じゃ、もっと優しく聞いて!」
ソラは庇ってくれているのだろう。一生懸命空に訴えるソラを見て、真結はその微笑ましさから、フッと緊張が緩んだ。
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