夜の手紙

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もうすぐ梅雨が始まる頃だった。 あの手紙が届き始めたのは。 いつものように大学から帰宅して、必死にレポートを進めている時、ドアについているポストに何かが投函される音がした。 小さいマンションで、この部屋中の音は聞こえる。 でも、夜九時なのに郵便局の人は大変だなあ、と考えながらそのポストの中身を見る。 「……何?」 黒色の封筒の手紙だったが、切手も宛名もない。 だとすれば誰かが直接このポストに入れたということ。 急いでドアを開けて外を見るが、そこには誰もいなかったし足音さえ聞こえなかった。 足が速い人物なのだろうと考え、私はレポートそっちのけで手紙を開封してみることにした。
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