エマの屋敷へ

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俺たちは、燕去(えんきょ)暦3月半ばに、エマの屋敷に向かって旅立つ事になった 今度はパーティーメンバーにニアも入れて 「いや、リーダーはニアでしょ?」 「あくまでもヒロキのパーティーだからさ」 しばらく押し問答したが 「あたしがリーダーだったら、返事はイエス、マム!だけしか認めないし、エマの家まで休憩なしで半日で行くけどいい?」 「いや、いい?って言われても、イチカはまだ…」 「ヒロキが、担げばいい」 「それはちょっと…」 「返事はイエス、マム!」 ……… 「すみませんでした。謹んでリーダーの任に着かせていただきます」 「わかればいいのよ?」 暴力的な笑顔でねじ伏せられた感が強い 「エマのところに行くだけならまあ、途中の依頼もこなしながら向かいましょう?半分位は買い出しだから、荷車借りようか。結構量あるしね」 荷車の貸し出しとかあるんだ 「シャンバラは物流が盛んだからね。荷車貸してくれる所はあちこちにあるわよ?シャンバラ内なら返却も現地で大丈夫。その分借りる時に余計に払うけど、同じ場所に返す時は余計に払った分は返してくれるの。貸し借りの記録はパーティーで借りたらパーティー全員のギルド記録と個人番号(パーソナルナンバー)に記録されるから、あんまりいい加減な扱いすると信用度が下がるんで気をつけてね。」 いわゆるデポジットだね。あと、信用度っていうのがあるのか。それは覚えておこう 「返すときは、その地域の顔役に聞けば大丈夫。荷車と馬はシャンバラでは回りものでね。当然収穫期の郷に沢山あるけど、それ以外の地域にも結構いるのよ。収穫期の郷ならラバなんかもいる。あと、田おこしには牛も使うかな。どんな動物を使うかは、地域によるんだけど、シャンバラは気候が馬向きなんで馬が多いわ。とりあえず手分けして、依頼の品を買い出ししてきて頂戴。あたしはカナとこっちの荷造りしたり、馬の手配したりするから。本当なら、人手で運ぶのが経験値にも反映されるし、荷運びも冒険者(クエスタ)の仕事だからやってみた方がいいんだけど、まあ、これはあたしのわがままだと思ってきいて頂戴。久しぶりだから早い事エマに会いたいのよ」
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