エマの屋敷へ

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サンキャッチャーが煌めくガレリアを通過して、西に向かう街道………トンネルに入る トンネルは幅も充分広いので、馬車が邪魔になるという事もない。荷物は荷台。俺は水筒だけ持ってのんびりと馬をひいていた このところ朝晩走らされていたので、馬のペースがゆっくりに感じられる。サマハナを含む女性陣は、馬車より少しあとからついてきている。時折何か盛り上がった笑い声が聞こえてくるのが少し寂しいが、馬を放って話に混じりに行くわけにもいかず、とにかく手綱を持ってひたすら馬と歩いた 仲間が馬車の後ろを歩いているのには一応理由があって、家畜の糞は基本的には集めて道の端に寄せるのがマナーだかららしい。一人で馬を引いてる時は無理にしなくてもいいとのこと。道端に寄せた馬糞は、回収されて堆肥にされる。街道沿いを回収してあるく仕事をしている人たちがいるのだ。どおりでどこを通っても清潔なわけだ。そしてここでもリサイクルである トンネルは長いが、辻があれば小さくてもガレリアがあるし、休憩が出来る。また、あちこちに小さなドームもある 来た時と同様にいくつかの小さな集落を抜ける。改めてみると、なるほどどの集落も、周囲を丘や山、林に囲まれていて地平線が見えるような事はない。トンネルが多いことから起伏の激しい土地柄なのだと思い込んでいたが、全ての集落がドーム内にあるのだとすると説明がつく それでもトンネルから出ると、風を感じ、生き物の気配を感じ、春に向かいつつある鳥の声が聞こえる。魔法と言っていたがどんな魔法なんだろう ニアは、トンネルから抜けるとヤギを荷台から下ろして、草を喰ませたり少し歩かせたりしていた。ヤギに紐をつけて犬を散歩させるように歩かせているのはなかなか面白い絵面で、みんな交代でのんびりと馬の前を歩くヤギの紐を取った 昼ごろには前に泊まった事のある村まで来た。ひと月も経ってないのにえらく時間が経った気がする。前はこの距離に二日かかったのだ ここでいくつか頼まれていた依頼をこなした。といっても、買い出しの品を渡して、薪割りをしただけだ。薪割りは人数がいたのですぐに終わった
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