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若干茫然としながら湯を出て、一足先に部屋に向かう
俺たちの部屋の更に奥、突き当たりの部屋の前でカナが手招きしていた
フラフラとそちらに向かうと、部屋の中に引きずり込まれて、サクサクと遠慮なく食べられた。正直納得がいかない。
納得は全然行ってないが、また風呂に戻ろうと階段を降りていたら、出てきた女性陣とすれ違った。すっかりニアに懐いて、キャッキャしている
ぼんやりと風呂に入り、ざっと汗だけ流して出ようとしたら、何故かユニが戻ってきて、またサクサクと食べられた。………納得がいかない。いや、嫌なわけではないのだが。
昼がしっかりだったので、夕食は軽めだった。飲み物をもらって部屋に戻ろうとした時、イチカがおずおずと話しかけてきた
「あの、ヒロキ?」
「………何?」
「あの、あたしも………」
イチカの頬が赤い。うん。女の子にそんな事言わせちゃダメだという、日本人的常識が頭をかすめる
そういえばイチカは俺と似た価値観を持つはずなので、やはり恥ずかしいだろう。それに、前回の記憶はちょっとアレだろう。いささか疲れてはいたが、腹をくくった
おでこに軽くキスをして、手を引いた
「………部屋に行こうか………?」
たっぷり3時間ほどかかり、部屋に戻ると、サマハナがニコニコして待っていた
「遅かったな!今度は僕の番な!」
「ちょっと待て。落ち着け。」
「え………?やっぱり未分化はイヤか?」
「そうじゃない。サマハナは可愛いと思うよ?そうじゃないんだ。あのな?限度とか限界というものがな?」
「ああ。そうか!」
ニアが苦笑しながら間に入ってくれた
「あのな?サマハナ。ヒロキはナチューレだ。急性ホルモンを飲んでる訳じゃない。」
「え?ピンキー無しでするの?すごくない??!」
「ああ。ナチューレはピンキーなしでも出来る。だが、ピンキーと違って追加が出来ないんだ。だから、多分、今日はもう疲れて難しいんだと思うぞ?」
「そうなのか………?」
すがるようなサマハナの目を見ると胸が痛んだが、少なくとももう少し休まないと無理だ。ニアが補足してくれた
「ああ。イチカとヒロキは知らないだろうけど、倭の住人の大半、特に男は、日常的にホルモン充填している。で、する時は、追加で急性ホルモンって、ピンク色の薬、通称ピンキーを飲む事が多い。じゃないと役に立たないんだよ。たまに無しでも大丈夫な奴もいるけど、ナチューレに比べるとやっぱり薬に頼ってる部分は大きい。逆にピンキーを連用すれば、かなりまで無理も効く。ヒロキは純血のナチューレだから、無理にピンキーは飲まない方がいいと思う。純血が飲むにはピンキーは強すぎる」
なんとなくわかった。俺はみんなに向かって宣言した
「………ということみたいだ。無理すれば何回かは出来るけど、俺は無理はしたくない。………一日一回位なら、無理なく出来ると思うから、それで勘弁して欲しい。順番とかタイミングはそっちで決めてもらっていいから。な、サマハナ。明日、明日はサマハナの日にするから、今日は寝かせてくれ」
「………うん」
その返事を聞いた俺は、安心して自分の寝床に滑り込み、3秒フラットで寝落ちした
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