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「で、どういう流れでそうなったのかしら?」
いつもの音楽室へ行きお弁当を開けると、開口一番聞かれた。
「聞くならここで、聞かなくちゃね~」
真紀はニヤニヤしながらわたしを見る。
「うん……まさかこんなことになるなんて思わなかったんだけど…なりゆき?」
「なりゆきなわけないじゃんっ!」
「…だってねっ、わたし三崎くんは真紀を好きなんだって思ってたからさっ」
「………………」
「………………」
「…は?何言ってんの」
「うん、それ言ったら三崎くんめちゃビックリしてた。しばらく固まってた。で、居たたまれなくなって、帰ろうとしたら手を掴まれてね…」
「手っ!」
昨日あった出来事を話した。
真紀はうんうんと頷きながら、でもたまにえっっ!とかふ~ん、とか言葉を挟みながら聞いてくれた。
「こんな感じて、彼氏になりましたっ」
そう締め括ると、真紀は満面の笑みでわたしの髪の毛をくしゃっと撫でた。
「なんか、ついこの前まで見てるだけでいいって言ってたのに不思議だけど、よかったね。」
「うん、まだ昨日の今日だから実感ないけど。でもやっぱさ、三崎くんはモテるからさ…」
「あー、そうだね。あのルックスはモテる。わたしは恋心抱いたことないけど。中学の時は女子とは関わりを避けてきたけど、それでもモテてた。女子はめんどくせーって言ってたから、わたしは女子じゃないんだよ。」
ニカッと笑って真紀は言う。
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