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「…透(とおる)と、好子ちゃんは、水と油とまでは、言わないが、昔から気が合わなかった…」
水野の父は、告白する。
私はその言葉を聞いて、
「…でも、これも、なかなかうまくいかないものです…」
という、さっきの言葉を思い出した。
あの言葉は、水野と好子さんの結婚がうまくいかないと、最初から思っての言葉ではないのか?
私は考える。
「…水野と米倉の合併の象徴として、あの二人が結婚することが、最善だと、思って、平造も私も根回しというか、動きました…好子ちゃんが、正造君の排除に動いて、透(とおる)に、相談を持ち掛けたと訊いたから、てっきり、うまくいくと思っていたんだが…」
水野の父親が告白する。
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