私が産まれた時。

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私が産まれた時。

母は専業主婦 父は建築業界の職人 私が早生まれだったので 学年が1つ違いの兄がいた。 まだ残寒が残る3月。 私は生まれた。 これは母から聞いた出産時の エピソード 子宮口が全開し破水までしたが 私は中々子宮口まで降りてこなかった。 医師から母の大きなお腹に馬乗りされ 胃から下腹部の方に向かって 押されたそうだ。 今の時代なら すぐ帝王切開になるだろうが 昔は帝王切開なんて ごく稀だったのだろう。 押し出された私は産声を あげずに産まれてきた。 母は、ようやく生まれてきた 赤ん坊の私を意識朦朧としながら見ていたそうだ。 先生は産声を上げない私の 両足を持って逆さまにし 背中をバシバシと叩いた。 すると私は羊水を吐いたと同時に 産声を上げた。 産声を聞いた途端物凄い睡魔に 襲われた母。 看護師から 「寝ないでください!寝ちゃダメ だよ!!」と 母の頬を叩き 寝ないようにされたみたいだ。 私は難産で産まれた。 私の母子手帳には 仮死 蘇生 と記載されている。 産声を上げてしまった私。 生かされた意味はあるのだろうかと そう思い何度も涙を流した 私の人生の幕開け。
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