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母方の親戚。
幼い頃 母の実家に ほぼ毎週日曜日遊びに行っていた。
祖父母 叔母 叔父が沢山集まる。
母は四人姉妹だったので
叔母は3人、叔父も3人
それに加えてイトコは10人以上
いた。
兄は、母に そっくりなうえに
初めての男の子。
祖父母は兄を激愛した。
祖父母は男の子が欲しくて4人産んだが全て女。
男の子は生まれなかった。
孫も女の子が続いてた。
また女の子か…
またか…。
そんな中
兄が産まれた。
母にそっくり。
となると祖父にも 似ている兄だ。
可愛くて仕方がなかったんだろうね。
孫となれば尚更。
私は父親に そっくり。
で、よく こう言われていた。
「兄ちゃんは うちの家系に似て
可愛いのに、おっこは吐き気がするほど父親そっくりね!!
気持ち悪くなる…!!」と。
煙草の煙を ふ〜…と
上に吐きながら
目は下に向き私を冷めた目付きで見ながら言う。
母以外の叔母は全員煙草を吸う人だった。
タバコの煙でなのか、嫌味でなのか目を細めながら そう言われていた。その目付きが怖く感じていた。
イトコと遊んでいれば、必ず私が怒られる。
兄は怒られない。
私が笑うと「うるさい!!」
母に甘えたくて 母の側に行くと
「子供はあっちで、遊んでろ」
次第に私は 人と目を合わせる事もできなくなり
場面緘黙にもなって行った。
場面緘黙(かんもく)とは、
学校や職場など特定の社会的場面で話すことができないという症状のある精神疾患。
すべての場所で話せないという訳ではなく、
場所や場面では問題なく話すことができる。
数件のメンタルクリニックに診察に行き子供の頃の話をすると
医師によって
ストレス性の
失語症
失声症
場面緘黙症
だったと診断された。
今のかかりつけ医師が場面緘黙症に間違いないと断言してるから
きっと そうなんだろう。
声を出さなきゃ怒られないんだ。
笑わなきゃいいんだ。
私は可愛くないから
顔を見せたくない。
まだ幼い4歳の女の子の私が
そう思って人と目を合わせて話すことができなくなっていった。
ある日叔母から
「おっこは 何処の馬の骨の子だか知らない人の子供。それに そっくりだ。」
馬の骨の子?
なんで??
母に聞いても答えてくれず
保育園の先生に聞いた。
「っね〜先生。
おっこね、おばちゃんから、
何処の馬の骨か知らない人の子供って言われたんだ。
おっこって お馬さんの子供なの?」
先生 「何言ってんの?夢でも見たんじゃない?」と笑っていたが
その日家に帰ると母から
「先生に余計な事を話すな!!」と叱られた。
私が高校2年生で17歳の時
両親が離婚してから父親の生い立ちが分かった。
「どこの馬の骨…」と
言われた意味を知ったのだ。
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