お願い

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担当医が診察室から出て来た。 医者「一通り診ましたが、右手首の軽い捻挫はあります。それ以外は、特に無さそうです。ご本人も車との接触は無かったと言う事の様です。どうしても心配でしたら、レントゲンで確認しておくと言うのも有りですが。どうなさいますか?」 信一「僕はお任せします。」 オバさん「交通事故は、後で症状が出るって聞きますが。」 信一「だから、交通事故じゃ、無いって!」心との会話。 信一「ユンミさん、もしどこか診て貰いたいとことか、何か聞いておきたい事とか、言っておきたい事とかある?」恐る恐る聞いてみた。 ユンミ「ワタシ シンイチ ニ、オネガイ アル。」 信一「え!僕に・・・。ユンミさん、お願いって?」 こいつ、いきなり呼び捨てかよ!心との会話。 ユンミ「ハグソウル アワセテ ホシイ。ワタシ スゴイ ダイスキ。 シンイチ シッテル ニホンジン ミナ シッテル。」 信一「あ〜。ハグソウルね! ハっ、ハグソウル!!」思わず声を張上げた。 ユンミ「モウヒトツハ、サン ニチ ゴ タイジナ ピアノ オーディション アル。キット ダメ ヒケナイ。シンイチ ナントカ シテ クタサイ。オネガイ デス。」 信一「ハグソウルとピアノのオーディション?!」 信一は、何のゆかりも所以もないこの「ユンミのお願い」が意味不明過ぎて、体力を根こそぎ奪ばわれて行くのを感じていた。 実は、・・・信一には5年前、このK-popユニット、ハグソウルとの苦い思い出があったのだ。 今でこそ日韓での人気は凄まじいユニットに成長した。 日本のスタジアムコンサート3日間を1時間以内でSOUL'd OUTしてしまう。 しかしその頃のハグソウルはK-popでもアンダーグラウンドでボチボチのユニットだった。 そんな時、日本でのデビュー話が信一の事務所に持込まれた。 信一は入社したてだったが、紆余曲折があり担当を任された。 当時、彼等のPVを観た時、信一には印象が良くて曲も心地良かった。 良いユニットだな!日本では受けるかも。と言う感想を持った。 信一の予想は、ズバリ当たった…のだが。
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