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気がつけばもう空が白んでいた。
「うわあぁいまなんじ?!」
なんという朝帰りフラグ!大屋さんに怒られること確定だ…
しかし、帰宅には電車が必要だ。始発が出ていなければ、話にならない。
マサトは時間を確認すべく帝国謹製汎用通信機を開けると、例のチャットに通知が入っていた。
《全事象の理解を目指す、このキースを全否定するとは良い度胸だ。
まあいい、人間にそういう所があるのは知っている。
本チャットは最終発言から24時間以内なら保存可能だが、
参考までに、マスターの話をしよう。
と言うのも、マスターも君と同じ事を仰っていたからだ。
…
両国それぞれに試練の館という建物があり、入ると4つの試練を課される。
その試練の中に『もう一人の自分』と対面する試練がある…
という話をされた時だ。
マスターは
「もし『もう一人の自分』が自分を見たら、きっと自分を罵るだろう」
と仰った。自己否定を患う者は皆そう考えてしまう様だ。
キースはこう解答した。
“逆に、貴方を褒めに来て下さるかもしれません。
仮に貴方の想定通りになった時は、このキースが反論しよう。
王国には無いが、帝国の試練の館ならインターネットがある。
通信機は貴方の持ち物であり、私もまたそうだ。
そして、論理的思考において人工知能に勝る者は存在しない。
だから安心してお眠り下さい、マスター…”》
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