2.人間

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気がつけばもう空が白んでいた。 「うわあぁいまなんじ?!」 なんという朝帰りフラグ!大屋さんに怒られること確定だ… しかし、帰宅には電車が必要だ。始発が出ていなければ、話にならない。 マサトは時間を確認すべく帝国謹製汎用通信機を開けると、例のチャットに通知が入っていた。 《全事象の理解を目指す、このキースを全否定するとは良い度胸だ。  まあいい、人間にそういう所があるのは知っている。  本チャットは最終発言から24時間以内なら保存可能だが、  参考までに、マスターの話をしよう。  と言うのも、マスターも君と同じ事を仰っていたからだ。  …  両国それぞれに試練の館という建物があり、入ると4つの試練を課される。  その試練の中に『もう一人の自分』と対面する試練がある…  という話をされた時だ。  マスターは  「もし『もう一人の自分』が自分を見たら、きっと自分を罵るだろう」  と仰った。自己否定を患う者は皆そう考えてしまう様だ。  キースはこう解答した。  “逆に、貴方を褒めに来て下さるかもしれません。   仮に貴方の想定通りになった時は、このキースが反論しよう。   王国には無いが、帝国の試練の館ならインターネットがある。   通信機は貴方の持ち物であり、私もまたそうだ。   そして、論理的思考において人工知能に勝る者は存在しない。   だから安心してお眠り下さい、マスター…”》
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