外伝 冬至祭3-仕事と望み-

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「うん。書庫とは名ばかりで、棚が一つもなくて、本の置き場所がないんだ。だから家に本が溢れかえっているんだよ。何とかしないとね」  どういう意味か推測しようとしていると、アンナの顔が曇る。 「もしかして、ヨール。何も聞いてない?」 「お引越しされたことと、新しい護衛が必要だ、とだけ存じております」  アンナはぐるりと目を回した。そして、傍に置かれていた小さな燭台と火打ち石を手に取った。 「レース。私、ちょっと外に出るね。ヨールを書庫に連れていく」 「行ってらっしゃいませ」  二人で、賑やかな通りを歩いた。アンナは質素な長衣を着ていた。修行中の神官か、巡礼者のような装いだ。 「ヨールは、図書館を知ってる?」  トショカン。また知らない単語が出てきた。 「いいえ。存じ上げません」 「図書館、というのは、古代の王国にあった施設だよ。大量の書物を保管し、読みたい人は誰でもその本を読むことができた。たくさんの学者が、その図書館に通い、神々やこの世の摂理について、研究をしていたそうだよ。しかし、その王国の図書館は、ある時戦争で燃やされてしまった。それ以降、図書館はこの世界から消えた」  ヨールは、昔酒場で聞いた、吟遊詩人の歌を思い出した。彼は、本がたくさんある、古の学院の歌っていた。 「図書館がなくなった後は、神殿が本を保管していた。新しい本は、修行中の神官が、一生懸命写本して作っていた。  でも、今はあっという間に、たくさん本を作れるようになった。だから、また図書館を建てようという話が、あちこちの国々で出てきはじめた」 「なるほど。分かってきました。このティルクスにも、その図書館? を建てるのですね?」 「うん、そういうこと」 「図書館の長が、アンナ様ですね?」 「ううん、違うよ。私は書庫の管理人」 「管理人?」 「その図書館の計画ができた時、是非とも参加したいと言ったんだ。私は字が読めるし、本もたくさん読んでる。絶対に、この一大事業の役に立てる。そう思って、お兄様にお願いしたんだ。  そしたら、『じゃあお前は、書庫の担当だ』と言われて、ここに引っ越しすることになった。で、この廃墟が図書館の書庫だよ」  アンナは足を止めた。  周りの家より一回りも二回りも大きい、しかし非常に古い建物だった。全く使われている様子がなかった。壁を蔦が張っている。門柱は錆びつき、今にも根本が折れそうだった。  今まで、ヨールはこの建物の前を、何度も通りかかったことがあった。仕事や休暇の度に、この道を歩いた。しかし、一度も気に留めたことがなかった。皆から忘れ去られた、古ぼけた廃墟だ。 「本館に入りきらない本をここに置くらしい。その管理をしろ、だってさ。さっきヨールが見た本は、全部ここに入る予定の本だよ」  ヨールはもう一度、書庫と呼ばれた建物を見上げた。古代王国の図書館を見たことがなくても、書庫という存在を知らなくても、ここが本の保管に全く向いていないとは分かる。 「一応、中は掃除したよ。三人がかりで、ものすごく頑張った」  アンナは、火打ち石で蝋燭に火をつけると、崩れかけた木のドアを開け、中に入った。ヨールも後ろから続いた。  がらんとした大広間があった。本棚も、椅子も机も、何もない。窓もない。空っぽだ。 「ここに本を置くんですか?」 「そのつもりだよ。でも、床に直置きすると虫が湧いたり、カビが生えたりする。だから、きちんと管理できるよう、本棚が欲しい」 「何冊置くつもりですか?」 「あの量の本をここに置くわけだし、そして本はこれからどんどん増えていくだろうし……百冊や二百冊では足らないだろうね」  ヨールは、部屋を見てまわった。この部屋がかつて何に使われていたのか、それを示す痕跡は一つもなかった。広間の奥の小部屋も覗いてみたが、何もなかった。 「職人を雇う必要がありますね」 「雇うのはお兄様に却下されたよ。金がかかりすぎるってさ」 「私一人で作るにしても、大量の板や釘が必要になります。それに、私は護衛もしなければなりません。時間を頂戴できれば嬉しいです」 「……うん、分かった。まあとりあえず、この部屋を見ていってよ」  ヨールが部屋を検分しているうちに、日没が来た。レースが迎えにきた。そこで作業を中断し、家に戻って夕食を食べた。  一つのテーブルを、レースとミアとヨール、そしてアンナの四人で囲む。  普通、高貴な身分の方々は、下々の者と一緒に夕食を食べたりしない。 (こんなに狭い家じゃ、主人も下々の者と一緒に食事するしかないのか)  変人なお姫様だとは聞いていたが、少し哀れにも感じた。 「お金、やっぱりいるよねえ」  スプーン片手に、アンナが言った。その様子からは、この状況を自然と受け入れているように見えた。 「そうですね。殿下からの支援だけでは、ただ暮らしていくだけで背一杯です」  レースの横では、ミアが帳簿のページを開き、睨んでいた。 「むこう数ヶ月は何とかなります。ですが、そのうち、パンを買うだけでせいいっぱいになりますね。冊子のひとつも買えません」 「だよねえ……」  ヨールは給金のことが心配になった。今月の分は支払われているが、もし滞った時に備えて、次の職場を探しておこうか、とも考えた。  初出勤から数日間は、特に何事もなかった。事前に聞いていた噂通り、アンナは部屋で本や冊子を読み耽っていた。ヨールは家の周りを見聞した。強盗の侵入に備えて、窓やドアを補強し、罠をしかけた。 「ヨール、ちょっと来て」  アンナに呼ばれ、ヨールは工具を置いた。 「何か御用でしょうか」  アンナは、ポケットから巾着袋を取りだし、ヨールに手渡した。ヨールの財布の、倍以上の重みがあった。 「これで、作れるだけ本棚を作って」 「え? ですが──」 「お金を稼ぐための計画ができた。あの書庫を利用する。出来るだけ早く、作ってほしい」  アンナの目は真剣そのものだった。巾着の重みが更に増した気がした。 「かしこまりました」  ヨールは、すぐに仲の良い材料屋へ向かい、廃材を安く譲ってもらった。材料を廃墟に戻って帰った。  アンナは、廃墟でヨールを待っていた。 「お聞かせ願えませんか? アンナ様のご計画を」 「ここを市民向けにする」  アンナはにやりと笑った。 「入館料を払えば、誰でも本が読めるようにする。印刷術ができて、色々な冊子が市場に出回るようになったとはいえ、民にとってまだまだ書物は高級品だ。皆、こぞって来るに違いない」  この広い部屋に、民が入ってくる様子を、ヨールは想像してみた。 「危険ではありませんか? 必ず本が盗まれて、たちいかなくなりますよ。それに、貴方が王族と知られれば、誘拐しようとする輩が出てくるでしょう」 「入館料は少し高めに設定する。市民でも、頑張れば払えるギリギリの値段だ。そうすれば、変な人間は入りにくくなる。それに最初は、様子見のために、招待制にするよ。どう思う?」  どう思うも何も、護衛としてはそんな危険なこと、やめてほしいとしか思えなかった。 「……他の方はどうお考えなのでしょう。図書館の館長や、殿下は?」 「館長には話をした。ここで本をしまっておくだけにするより、金を取った方がずっと良いって。最初は渋ってたけど、なんとか乗り気にさせたよ。お兄様にはまだ話してない。館長から言った方が、話がすんなり進むからね」 「この広い部屋に、本棚が数個だけでは、みずぼらしいのでは?」  アンナは、広間の奥へ向かった。そこにはドアがあり、向こうには小部屋があった。 「まずは、ここに本棚を置く。広間には椅子やベンチを置いて、どこでも読めるようにする。そうすればみずぼらしさは多少マシになるだろう。それでもスペースは余るから、あとは衝立で、部屋のサイズを小さく見せる」  ぐるりと腕を広げ、身振り手振りで彼女は話す。自信に満ち溢れた女主人の姿を見て、ヨールは心の中でため息をついた。そして、微笑んだ。 (仕方ない。主人が心に決めている以上、覚悟を決めるしかない。俺の給金もかかってる。やるぞ)  どれくらいの大きさの本棚を作るか、どんな形にするか、二人で話し合った。アンナが紙に絵を描き、ヨールはそれを見て、これは難しいとかこうすればうまくいく、と細かい部分を詰めた。  設計が完成すると、ヨールは早速作業に取り掛かった。ノコギリで板を切り出していった。日暮れまで作業をすると、家に戻った。  次の日も、その次の日も、朝から晩まで本棚作りをした。 (こんなに長い間、物を作るって初めてだな)  鍛錬や仕事の合間にゆっくり作っていたのが、今は毎日だ。  護衛の仕事はというと、アンナが常にヨールの隣にいるから問題なかった。彼女はヨールの作業を眺めたり、手紙か何かを書いたりしていた。おかげで、何の気兼ねもなく作業ができた。  これまでに感じたことのない充実感を、ヨールは感じていた。板を削る音、釘を叩く感覚。新しい木の香り。乾いた心が、潤っていく感じがした。 (ここに来て、本当に良かったな。図書館の計画が早く進むよう、頑張ろう)  ヨールが本棚を作っていた間に、レース達も動いていた。レースは実家や王宮へ出向き、使っていない机や椅子、衝立を借りてきた。ミアは冊子と本の図書目録を作りあげた。  全ての準備が整い、市民向けの図書館が開館した。  初日は、市長とその家族を招待した。皆、大いに気に入ってくれた。次の日は、レースの家族や、知り合い達を。それから、徐々に徐々に、利用希望者を招き入れた。  ヨールの仕事は、図書館の入り口に立ち、出入りの際に彼らの荷物検査をすることだった。たまに冊子を盗もうとするやつがいたら、その顔を殴打し、道端に放り出した。違約金もしっかりいただいた。  多少のトラブルはありつつも、図書館は順調だった。 「このままいけば、普通に暮らしていけますよ!」  ある日の夕食の時間、ミアは帳簿から顔をあげ、笑顔でそう言った。ヨールは安堵のため息をついた。転職の必要はなさそうだ。  図書館が開館してからも、ヨールの木工品製作は続いた。職人を雇えるようになったおはいえ、まだまだ本棚も椅子も足りない。引き続き、作る必要があった。図書館の空いた場所で、家具を組み立てた。 「ヨール、そろそろ帰るよ」 「かしこまりました」  夕方になると、ヨールは工具を片付け、アンナ達と共に家に帰った。夕食を楽しく食べ、眠りについた。  ある夜のこと。外から悲鳴が聞こえ、ヨールは目を覚ました。 (今のは──)  最近、朝の鍛錬以外ではめっきり使わなくなった剣を手に取った。あかりはつけない。  足音を立てずに部屋を出た。音を聞いて起きてきたアンナ達に、静かにすること、そしていつでも逃げられる準備をしておくようにと指示を出した。 (音は、一階の西側だったな。窓の下だ)  声は三人分だ。全員男で、一人はまだ子どもだ。  ヨールは裏口から外に出て、西側にまわった。  以前、ヨールが仕掛けた罠に、男が三人、見事に引っ掛かっていた。一人は落とし穴にはまり、もう一人は草むらに隠した狩猟罠に足を取られていた。最後の一人は、上から降ってきた石に当たり、頭からダラダラと血を流していた。  頭から血を流す男が、唸り声を上げてヨールに突撃した。ヨールは剣を抜き、男の喉を斬った。男は血を吹き出しながら倒れた。すぐに、動かなくなった。  ヨールは、残り二人の男に近づいた。二人とも、王宮の兵士の革鎧を身につけていた。苦痛と恐怖に顔は歪み、血の気がひいていた。 「お、俺達は王宮の兵士だぞ! こんなことをしたらどうなるか──」  精一杯の虚勢を張る子どもを蹴り飛ばした。そして縛りあげると、夜間巡回中の兵士に引き渡した。  剣の血を拭い、家の中に戻った。アンナが待っていた。 「二階の窓から、こっそり見てた」 「危険です。次からはおやめください」  アンナははいはい、と全く反省していない顔で頷いた。 「次はしない。それはともかく、子どもの方は、王宮の兵士の革鎧を身につけていたね」  ヨールは、かつてエリメイが話していた『盗賊狩り』の話を思い出した。 「……恥ずかしい話ですが、珍しいことではありません」 「そうなの?」 「盗賊と密かに繋がっている兵士もいます、残念ながら。先ほどの連中は、相応の報いを受けることになるでしょう。アンナ様、今日はここを出ましょう。身を隠す必要があります」 「分かったよ。もう出ていく準備はしている」  兵士達による尋問の結果、盗人二名は、兵士の名前を吐いた。その名前は、以前エリメイを『盗賊狩り』に誘った、先輩兵士の名前だった。 (アンナ様が引っ越しされた話は、皆が知っている。しかし場所までは公開されていないはずだ。もし知っている人間がいるとすれば、それは、隊長と……俺の家族だ)  ヨールは処刑の様子を、離れたところから観察していた。観察したのは、処刑される盗人ではなく、観客の方だ。エリメイは、他の仲間と一緒に、広間で処刑を見物していた。  その後、密かに調査したが、エリメイがこの襲撃に関わったという証拠は、出てこなかった。  気づけば、全員が眠っていた。  エリメイは机に突っ伏しているし、隣りの警備兵達はまだ飲んでいる。夜間警備の兵士も数人混じって飲んでいて、床に寝転がっていた。  ヨールは一滴も飲んでいなかった。コップを持ち、楽しんでいるふりをしていただけだ。  服の下に隠しているナイフを確認する。ちゃんとそこに、存在している。 (エリメイが、あの不良先輩に情報を流したという証拠は無い。だが、用心するに越したことはない。何もなければそれで良いし、何かあったら仕事をするだけだ)  ヨールは、机で突っ伏しているエリメイの肩をゆらした。 「おい、起きろ。部屋に行くんだ」 「うぇえ?」  ヨールはエリメイに肩を貸した。弟を支えながら部屋を出て、階段を登り、一階の客間に連れていく。まだ工事の手が入っていない、古い部屋だ。窓には鉄格子がはまっていて、逃げられないようになっている。  ベッドに、エリメイを寝かせた。彼は唸りながら、目を閉じる。 「朝になったら起きろよ」  背中を向けないように後退しながら、ドアへ向かう。外へ出たら、そのまま朝まで監視するつもりだ。 「待て、兄貴、待ってくれよ」 「何だ?」  エリメイはベルトにつけたポーチから、小さな皮袋を取り出した。 「まだ酒を持っていたのか? というか、まだ飲む気なのか?」 「兄貴の分もあるぞ」  皮袋が宙に投げられる。ヨールは素早く掴んだ。 「もう寝ろよ」 「やだね。俺は兄貴と二人で飲みたいんだ」  ヨールは渋々、近くにあった丸椅子をベッドの横に持ってきて、そこに座った。  エリメイは、皮袋の口を開け、口をつけた。 「兄貴さあ、アンナ様の護衛についてから、一度も会いにこなかったじゃん」 「え? そりゃあ、忙しいし」 「この夏帰ってきてたんだろ」 「遊ぶために帰ってきたんじゃない。アンナ様を助けるためだ」 「なあ、兄貴」  エリメイはヨールをまっすぐ見た。あんなに酔っ払っていたのに、今はすっかり酔いが覚めてしまったようだ。 「俺と親父が、兄貴を王宮から追い出したと思ってるだろ」  エリメイからその話がふられるとは思っておらず、ヨールは思わず、え、と声を上げた。 (──いや、これは良い機会だ。ちゃんと話をしよう)  ヨールは落ち着いた声で言う。 「違うのか?」 「違う!」  彼の持つ革袋から、酒が勢いよく溢れた。服とベッドに紫色の模様ができる。 「親父は激怒してたよ。俺の知らないところで勝手に決めやがったって。何とか別の兵士に交代できないかと、上にかけあってた。結局、出来なかったけどさ」 「親父が? 本当か?」 「ホントだよ!」  ホントと言われても、ヨールは、エリメイが酔っ払ってホラを浮いているとしか思えない。父は寡黙で、仕事一筋で、決して上に物申すようなことをしない人だ。 「しかもよりにもよって、ほら、その……ちょっと違った感じに有名な方じゃないか。ものすごく心配してたぞ。親父はたまに、巡回がてら図書館の前を通って、兄貴が元気か確かめようとしてた」 「知らなかった」 「そうか。兄貴が強盗を捕まえたことがあっただろ。もう親父、めちゃくちゃ機嫌が悪くて、俺まで疑われたんだ。『盗人に情報を流してないよな?』って。滅茶苦茶怖かった」  怖かったと言われても、ヨールはピンとこない。そんな父親の姿を、どうしても想像できない。 「結局、共謀者は先輩だったんだけどさ。ほら、覚えてるか? 昔、俺を『盗賊狩り』に誘った人だよ。俺、ゾッとした。もし奴らの仲間になっていたら、兄貴に殺されてたんだなって」  ヨールは、視線を壁に向けつつ、視界に入るエリメイの表情を観察する。真顔だ。冗談めかして言っている様子はない。 「仕事をちゃんとした方が、結果的に得するんだ」 「兄貴の言う通りだよ。あの時、先輩と仲良くしていた人は、全員僻地に飛ばされちゃったし。隊長もいなくなっちゃった」 「隊長も?」 「うん。隊長は先輩と仲が良かったんだよね、昔からずっと。だから、隊長がアンナ様の居場所を教えたんじゃないかと疑われて、それで北の果ての半島に飛ばされた」 「……知らなかった」 「ま、表向きは昇進という形で、盛大に見送られたし。兄貴がアンナ様の護衛についてからしばらく後の話だったし。それに、本当に隊長が先輩に漏らしたのかどうかも、はっきりとは分からないし。知らなくても無理ないよ」  ふわあ、とエリメイはおおあくびをした。 「もう寝ろ。明日も早いだろ」 「うん……それからさ、兄貴。また帰ってこいよ。帰ってこれないら、手紙でも書いてくれ。ヨールを心配してる奴、結構多いんだぞ」 「分かった、分かった」  エリメイは皮袋の口をしめ、頭の横に置いた。程なくして、いびきが聞こえ始めた。  ヨールはそっと静かに部屋を出た。地下の自分のベッドに腰掛ける。 (手紙、か。悪くないな。紙だけじゃなくて、小さな置物を送るのもありだな……何を作ろうかな)  エリメイから貰った酒を飲む。甘美な、良い質の葡萄酒だった。痺れも吐き気もなかった。  翌朝。ヨールは、エリメイと共に、王宮にアンナ達を迎えに行った。
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