前書き

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『はぁと吐息し、千椛はうつむいた。 蝶の翅のような睫毛が目蓋にふさり、とかぶさり、銃身に一房、髪が流れ落ちる。ー自慢の髪なのに。あなたと同じ、髪なのに。 沸き上がった激情を胸の中に殺し、千椛はシャレードの引き金を引く』 時期は平成31年3月25日。あるクリエイターからもらった書き込みに、私はこう答えた。 『9発の8mmの鉛玉が銃口から噴き出す炎の中から飛び出す。弾薬は12番径の鹿弾。相手が50m以内ならこれで十分。9発が飛び出すとすぐに左手でマズルの下のフォアエンドを後ろに引いてすぐに前に出してしごく。空の薬莢がシャレードの右側から一筋の細い煙をあげて飛び出していき、地面に着地したと同時に甲高い声を二回上げて転がる。 死花咲の人形、《人造処刑人》だろうか。穴だらけになると黒い煙をあげて消えていく。消えるとともに、それらが持っていた9mm小銃が転がる。周囲を確認し、転がっている小銃のものへ行き、それを手に取り確認する。 「……。現の世界のモノか。確か『ベレッタCx4』。新入りの元軍艦だとかいう人造人形の桃花、杏花の双子が言ってた銃ね」 マガジンを取り出し、9mmパラベラム弾の残段数を確認すると、これを拾って相棒のプラネットに戻り、本部へ連絡した。 「現の代物を死花咲が保持している。どういうことだ?」』 この問いかけと、そして私の回答がすべての始まりだった。 原作である自分探しの旅の著者からは好評を貰うと、私は不思議な感情になった。 「イケる」 その後、原作者から政策の許可を貰い、数か月を練って漸く書き始めた。 私は今までファンタジー作品を計画したことはあっても書いたことは無かった。だから、これは自分のテイストを入れつつも良い挑戦になるだろうとも思った。挑戦だ、私の知らない土地へ踏み入れるためへの。 この問いを書いてくれたみなみ更紗さん、そしてこれの原作である自分探しの旅の著者である亜依梨さんに感謝を。
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