白い手紙

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『お前の秘密を知っている』  戸川 秀(とがわしゅう)は、手紙を持つ手を震わせた。  2年4組、窓際の席。  その机の中にあった、一通の手紙。  何の飾りもない、白い封筒に白い便せんには、そんな脅迫めいた文が書かれてあった。  だが、それだけ。  裏に返してみても、光に透かして見ても、それ以上のことは書かれていない。 (きっと、誰かのいたずらだ)  そう考えて、怖れに蓋をした。  バレるはずがない。  この秘密、漏れるはずがない。  そう自分に言い聞かせて、放課後を待った。
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