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第3話
【俺は伊集院家の三代を彼女にしてる】
「私…写真を撮る趣味があるの…。」
奈々子は得意げに何枚かの写真を見せてくれた。
「これは…?」
そこには若き日の奈々子と おぼしき 裸婦が写真に収まっていた。
「ア~ン…それは亡くなった夫が撮ったのよ。」
奈々子は恥ずかしそうに写真を隠す仕草をした。
「見て…。」
突然、奈々子は…服を脱ぎ、写真のように凛として上を向いた。
「奈々子さん…同じだね。 変わらないや…。」
「ありがとう…。」
奈々子は倫太郎を独り占めできる幸せに浸った。
そして、奈々子は倫太郎が服を脱ぐのを手伝った…。
「奈々子さん……素敵ですよ。」
倫太郎が触れても跳ね返されるような肌の勢いがある。
奈々子は若い倫太郎を自分の身体に誘いながら女の愛し方を手ほどいた…。
……………………………
「倫太郎君、おはよう。」
次の日に美奈子に会った時には…
さすがに倫太郎はバツが悪かった。
しかし、美奈子は知ってか知らずか…
ケロッとしていた。
賀奈子とも奈々子とも関係を結んでいた倫太郎は…
今後、まさか美奈子とも関係を結ぶとは思いもしなかった。
7月17日は美奈子の誕生日だ。
友達として、倫太郎は何かプレゼントをと思っていた。
誕生日の当日に誕生会を美奈子がやると言うので…
集合場所と知らされたカラオケボックスに着いたが、集まったのは…
当の美奈子と倫太郎だけだった。
「ええ~☆ 皆んな…集合場所を間違ったんじゃ無いの…?」
「倫太郎さん…実は、今日の誕生会に呼んだのは、倫太郎さんだけなの…。」
倫太郎は驚いた…。
「私…誕生日には一番のご褒美が欲しかったの。
だって…お婆様も、お母様も…ズルイんですもの。
倫太郎さまを伊集院家へ連れて行ったのは私なのに…。」
玉木倫太郎は、ようやく美奈子の意図を理解した。
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