EPILOGUE

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EPILOGUE

『裏路地からしか行けない天国』を演出したのは美月だった。 美しく迷いなく演じきったのも美月だった。 なんという16歳。なんという僕の美月。 肉体を失ってこそ完成する純愛。    『裏路地からしか行けない天国』を最後までお読みいただきました皆様に心より感謝申し上げます。  美月の手紙の内容は、美月の伝言通り秘密にしておくべきか考えましたが、あえて掲載することと致しました。  それは僕自身の決意表明になると考えたから。僕は美月の『祈り』に忠実に生きようと思います。音楽を謙虚に学び僕にできることから挑戦します。  夢見ていた美月との未来は幻想と化した訳ではありません。美月が命を賭けて照らし出している僕の道を、真っ直ぐ真剣に進むなら、幻想に終わったかもしれない確かな未来に、きっとたどり着ける。自分を信じ、美月を信じて努力するなら、今も、明日も、未来にも、美月は僕の中にいる。  永遠の僕の妻、美月。今日も心から愛しています。
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