受け渡し

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 これは、二人の少年少女の物語。 「ええ〜? 手紙なんて面倒臭いもの使わなくても『LINE』使えば事足りるだろう?」 「そんなことないよ。手紙には、その人が筆を持って書くからこその『温かみ』があるんだから」 「温かみ?」 「うん。筆跡や文字の癖もそうだけど、便箋のデザインや文字の色を工夫してみれば、受け取った人次第ではその手紙が宝物のような価値が生まれるの。君も、一度で良いから手紙を送ってみたらどうかな? きっと知らない世界が見えてくるはずだよ」 「よっしゃ! 任せとけ!」  〜そして二日後〜 「おーい書けたぞ。待たせて悪かったなぁ」 「って、何で直接渡しに来るのさ」 「あー。投函の仕方がわからなくてイマイチ不安でさ」 「だからって、普通家まで来るかなぁ?」
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