6人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
今日もまた、面接に行った。
黒いスーツに黒い鞄。ストッキングさえ黒に変えれば、そのままお葬式にも行けそうな "就活スタイル" で、面接官の前に座る。
眼鏡をあげたり下げたりしながら、読みにくそうに履歴書の名前を読み上げる面接官に、私は自分の名前を伝える。
「明光と申します」
「下のお名前は——?」
「りんり、です」
「ほう、あけみつ、りんり、さんですか。これはまた、今風のお名前で——」
面接官の目に、蔑むような、憐れむような笑いが浮かぶ。
そんな反応には、もう慣れっこだ。
「よく言われます」と、私は答える。
最初のコメントを投稿しよう!