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私は高校二年生のとき、親の離婚が原因で名字が「明光」に変わり、引っ越しをして、高校も変わった。
転校先の高校で、私は書道部に入った。
その書道部で顧問をしていたのが、六郷真介先生だ。
私の名字にある"明"という字の意味を、私はその先生に教わった。
太陽と月に違いないと思っていたけれど、日へんの由来は窓の形だ。
窓から差し込む月の光。その程度の光でいい。
先生にそう教わって以来、私は私の明光という名字を、そんなに嫌いではなくなった。
それを教わったのは、私と先生が初めて、そしてたった一度だけ、結ばれた日のことだった。
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