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秋・十月
J・フォール記念教会での結婚式。
神様は心が広い。それが何度目だろうと、ちゃんと斗真に祝福を与える。
祭壇の前に佇む斗真は、これまでに見た三回分を三乗したくらいに幸せそう。
そして、ヴァージンロードを進む樹里亜は相変わらず美人だった。
同い年なのに冴えなくて、くたびれて、何より性別が男の俺とは比べものにもならないほど─────見てるこっちが切なくなるほど、斗真が憧れ続けた女性。
最初から、僕の恋が叶う要素は一つたりともなかった。
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