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僕とトーマには使命があった。
地球の存亡を賭けた戦いの第一歩となるべき大いなる使命だ。
掻い摘むと、追放されたマッドサイエンティスト・アヅマ博士に拠る地球人への報復と侵略を阻むイプシロン作戦の一環として、流刑地・惑星Xの偵察に向かい博士の動向を探るというもので、取り敢えずこれをクリアしないと前に進まないと定義されていた。
僕らは土星の輪っかが間近に迫る感じの宇宙研究所みたいな無機質極まりない白っぽい建物に忍び込む。
だけど僕だけ博士にさっさと捉えられ、胸の中の重要な回路に細工をされた。
そしてついでのように慰みもののセックスロボットに改造されてしまったらしい。
目を開けた時、視界の半分に焼きついたトーマの姿は半分透けた笑顔だった。
もう半分に存在するアヅマ博士は不敵な笑みで僕を見下ろす。
僕をどうやって虐げるかに思いを巡らせているんだろう。
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