私の特質

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私の特質

「え、お前、マジなの……?本当かよ……!?」 「うん……。ほんと……。ごめん、ずっと騙してて。だか、ら、結婚できない。」 思い切り彼の肩を突き飛ばし、毛布を大きく被った。 「もう、出てって。」 彼は一瞬戸惑った表情になり、「ふぅ」と大げさにため息をついた。 そして、さっさと荷物をまとめると、部屋を出て行った。 彼がいなくなったベットの上は、何か大切なものが消えたようで、少し切なかった。 何回目だろう……。 こうやって、男を振ったのは。 私は特殊な体で、夜10時になると犬の耳が生える。 12時を超えると、完璧に犬になってしまうのだ。 だから、子供を作ることができない。 そうゆうことに持ち込もうとした男には、本来の姿を見せて私が子供を産めないことを証明して、振ってきた。 さっきみたいに……。
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