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満を待しての
こうして、盛況の後に私達の結婚式は幕を閉じたのだが。
帯刀さんの不吉な予言のとおり。
その日の夜は、互いに四次会まで連れていかれて酔い潰れ、次の日からは、彼にまた3日間の海外出張が入ってしまったので、私達は結局、未だ初夜を迎えられずにいた。
そして、今日はようやくその3日目。
帯刀家から帰ってきた私は、貰ってきた御菜と併せて作るつもりのスープの材料の買い物袋をテーブルに投げると、ちょっと休憩するつもりで、ソファに寝転んだ。
夕方のニュースを見るために、リモコンのスイッチを押す。
賑やかな音声が深閑とした部屋に流れ、それで私は少しホッとする。
結婚をしたら、帯刀さんの心配性がうつったのか、何だか私も急に不安になってしまった。
今日、ちゃんと帰ってきてくれるよね。
連絡を取ろうにも、今彼は空の上。チャットも通話も叶わない。
この三日間は、大好きなゲームも手付かずのまま、アプリを開く気にもなれず、彼の出張先のパリで何か事件が起こっていないか、なんて心配ばかりして、ニュースばかりをチェックしている。
あーあ、楽天的が唯一の取り柄だったのになあ……
夜もあまり寝られてない。
結婚式のすぐ後で、体は疲れているはずなのに。
帯刀さんがあんなこと言うから、何だか本当にそうなる気がしてきてしまって、不安で寝付けないのだ。
その癖、身体に火だけは付けて行っちゃったもんだから余計に——
帯刀さんのバカ。……くすん。
……………。
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