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◯建物内・ミーティング部屋(朝)
藤井、友梨香ら生徒たちがいる。
藤井「この中で武器を持ちたい奴はいるか?」
静まる生徒たち。
藤井「何が起こるか分からない。俺1人で対処できない事もある。
一緒に戦う奴が必要な時がくるかもしれない。
銃の使い方を何人かに教えたい。
だが生半可な気持ちじゃ駄目だぞ。
銃を持つ以上は持ってない者も守ってもらう。
どうだ、いるか?」
友梨香、手を挙げる。
渚「えっ!ちょっ友梨香?」
隣にいる渚、驚く。
樹里「私も」
樹里も手を挙げる。
理佐子「私もやります。副キャプテンなので」
それに釣られるようにアスナ、未沙、瑞葉も手を挙げる。
藤井「よし、いいだろう。6人だな」
藤井、手を挙げてる6人を見渡す。
藤井「この6人以外には今後、銃の扱い方を教える気はない。
残りの者は雑務に徹しろ、いいな」
6人以外の生徒「はい……」
藤井、理佐子を見る。
藤井「お前……」
理佐子「渡部です」
藤井「渡部、副キャプテンと言ったな。
まとめ役はお前がやれ。いいな?」
理佐子「はい、分かりました」
樹里、理佐子を少し複雑な表情で見る。
藤井「まあ、今すぐ教えるという訳にはいかんけどな。
まずは俺が決まり事を考える。
それをお前たちに実施してもらう。
それが安定して出来るようになってからだ」
生徒たち、藤井を真剣な表情で見ている。
◯建物内・廊下
瑞葉と生徒3人、廊下にある長椅子に座っている。
生徒D「ねえ、噛まれてゾンビになったらどうする?」
生徒E「怖いよね……」
生徒F「そうなったら人間の感覚なくなるのかなあ?」
瑞葉「……」
生徒D「瑞葉は強いから大丈夫だよね?」
瑞葉、苦笑いしながら軽く首を横に振る。
生徒F「いざとなったら瑞葉に守ってもらおうよ」
話を続ける瑞葉と生徒3人。
◯建物内・有美の部屋(夜)
有美と生徒2人がいる。
生徒G「有美は真っ先にやられるタイプだよね?」
有美「ええ~?」
生徒H「ああ、確かに有美は無理だわ」
有美、困った顔をしている。
生徒G「まっゾンビに出くわしたらせいぜい逃げまくることだね」
有美「うん、そうする」
話を続ける有美と生徒2人。
◯建物内・ミーティング部屋(朝)
生徒たちが何人かいる。
ホワイトボードの隣の掲示板に藤井が作成した、
決まり事の紙が大きく貼ってある。
◯建物内・藤井の部屋の前(朝)
藤井と理佐子がいる。
理佐子「これがみんなの部屋割りです」
理佐子、藤井に紙を渡す。
藤井「ああ、分かった、見とく」
理佐子「お願いします」
藤井「建物を見回るときだが、銃を持ってる者が1人いた方がいいな」
理佐子「ああ、なるほど。その方がいいかもしれませんね」
藤井「メンバー構成は考えとくよ。訓練の後にでも発表する」
理佐子「はい、分かりました。それじゃ」
理佐子、その場を立ち去ろうとする。
藤井「何か問題あったらすぐ報告しろよ」
藤井、歩き始めた理佐子に声をかける。
理佐子、振り返って「はい」と返事をしながら頷く。
◯建物・屋上
友梨香と渚、会話しながらキャッチボールしている。
2人とも左手には野球グローブ。
渚「明日からだって?銃の訓練」
友梨香「うん」
渚「本当に大丈夫?銃なんか持って。やれるの?」
友梨香「分かんない」
渚「責任持てよ~」
友梨香「うるさいな」
渚「ねえ、ちゃんと私のこと守ってよ」
友梨香「分かったよ(苦笑)」
2人、キャッチボールを続ける。
◯建物・屋上
藤井、腕を組んでいる。
友梨香、樹里、理佐子、アスナ、未沙、瑞葉が、
拳銃を撃つ訓練をしている。
藤井、6人に拳銃の指導をしている。
藤井、友梨香に近づいて後ろに立つ。
友梨香、拳銃を構いている。
藤井、友梨香の手を支える。
藤井「しっかり持て、呼吸を整えろ、集中しろ、
……よしっ、引き金を引け」
友梨香、弾を撃つ。
目標の手作り人型板の頭に当たる。
藤井、訓練をしている6人を見守る。
◯建物内・食糧がある部屋
渚と他生徒が水・食糧の仕分けをしている。
分量をノートに記入してる子もいる。
掃除をしている子や物を運んでいる子もいる。
奈月、京乃、早織は3人で何か話している。
◯建物内・ミーティング部屋(朝)
藤井、友梨香ら生徒たちがいる。
ホワイトボードには文字が色々と書いてある。
藤井、生徒たちに建物の特徴を説明している。
藤井「以上までで何か質問はあるか?」
有美、手を挙げる。
有美「先生っ、あっ!間違っちゃった……」
少し笑いが起きる。
生徒I「なに先生って~(笑)」
生徒J「アホだからな~有美は」
恥ずかしそうにしてる有美。
未沙「私も先生って呼ぼうかなー」
未沙、冗談っぽく言う。
生徒K「呼びたい人は、そう呼べば?」
理佐子「藤井さん、いいんですか?」
藤井「(呆れた顔)やめてくれ」
京乃「先生って結婚してるんですかー?」
京乃、おちゃらけた感じで言う。
藤井「そんな質問も受けなきゃいけないのか?」
奈月「どうなの?」
藤井「今は1人だ」
早織「離婚したってこと?可哀想~」
藤井「くだらん話はここまでだ。続けるぞ」
藤井、ホワイトボードに目を向けまた説明を始める。
◯建物内・友梨香の部屋(夜)
友梨香、部屋のカレンダーをじっと見る。
過ぎた日に「✕」が付けてある。
友梨香、窓に目を向ける。
◯建物内・ミーティング部屋(朝)
生徒たちがいる。
樹里、大声で生徒たちに支持を出している。
樹里「ほらっみんなテキパキ動いて!命が掛かってんだよ!
あんたはこれ持ってて!」
その支持を受けて動き出す生徒たち。
樹里が恐いのか、アタフタしている生徒もいる。
アスナ、椅子に座りながら樹里を不満そうに見ている。
アスナ「ねえ、思ったんだけど、
何でいつもあんたが仕切ってんの?」
樹里、アスナを見る。
樹里「は?キャプテンの架純が死んじゃったんだよ!
理佐子だけじゃ大変と思って私がサポートしてんの!
文句あんの?」
樹里、アスナに近づく。
アスナ「誰も認めてないから」
樹里「じゃあ、あんたに出来んの?誰かできるの?
リーダーシップ取れんの!?」
アスナ「出しゃばっててウザいんだけど」
樹里、顔つきが変わる。
樹里、腰回りに付けてあるウエストバッグから拳銃を取り出す。
樹里、アスナの額に銃口を突きつける。
樹里「なめんなよガキ」
周りの生徒たち、凍り付く。
アスナ、全然怯むことなく樹里を睨み返す。
アスナ「撃てるもんなら撃ってみろよ」
2人、睨み合う。
理佐子、樹里の拳銃を手で抑える。
理佐子「もういいでしょ、樹里」
藤井、ミーティング部屋に入ってくる。
藤井「何をやっている」
理佐子「何も。大丈夫です」
藤井「だったら早く席につけ」
生徒がそれぞれに席につく。
樹里、不満そうな顔で席につく。
アスナも不満顔。
◯建物・屋上
友梨香、樹里、理佐子、アスナ、未沙、瑞葉が、
拳銃を撃つ訓練をしている。
藤井、樹里に小銃の撃ち方を教えている。
アスナと未沙、狙撃ライフルを持っている。
未沙「アスナ凄いね。樹里さんにたて付くなんて」
未沙、ライフルを構えながら隣のアスナに言う。
アスナ「別に……」
未沙「前から仲悪かったもんね」
アスナ「まあね」
未沙「いや、でも凄いよ。出来ない出来ない」
アスナ「なんか粋がってたからイラついちゃった」
未沙「まあ、こんな状況だし殺気だっちゃうのは仕方ないかもね。
不安なんだよ、樹里さんも」
アスナ「……」
未沙「アスナを本気で撃つ気なんてないよ。
ちょっと脅しただけでしょ」
アスナ「分かってるよ」
アスナ、ライフルを撃つ。
建物前の広場にいるゾンビに当たる。
未沙「アスナ上手いよねーセンスあるわ~どうやるの?」
アスナ「あんた手首に力入りすぎ。
緊張するのは分かるけど握り過ぎない方がいいよ」
未沙「なるほどね~」
アスナ「しっかりやってよね。
パートナー組まされた私の責任にもなるんだから」
未沙「分かってるって。絶対上手くなるから」
アスナと未沙、訓練を続ける。
◯建物内・広い部屋(夕)
樹里と理佐子、窓の外を見ながら話している。
理佐子「でも、あのゾンビたちも以前は人間だったんだよね……
会話したり、笑ったり、普通に生活してたんだよね……」
樹里「そうだね」
理佐子「信じられない、とても。あんな化け物になるなんて……」
樹里「……」
窓の外のゾンビを見る樹里。
理佐子「私は嫌だな、あんな姿になりたくない……」
樹里「それは、私だってそうだよ」
理佐子「哀しいよね……」
樹里「でも、いざ闘う時がきたら、そんな気持ち捨てなきゃダメだよ」
理佐子「うん……それは大丈夫……だと思う」
樹里「本当?やらなきゃ自分が死ぬだけだよ……
いや死なせてもくれないのか……」
理佐子「……」
樹里「ところで、みんな素直に言うこと聞いてる?問題ない?」
理佐子「うん、大丈夫。みんな協力的だよ。
さすがにみんな事の重大さを分かってるし」
樹里「そう、それなら良いけどさ。
言いにくい子がいたら私に言いなよ。
バシッと言ってやるから」
理佐子「うん……(苦笑)ありがとう。でも、なるべく自分で言うね。
樹里に頼ってばかりじゃ恥ずかしいもん」
樹里「そう?じゃあヨロシクね。まっ理佐子は人望あるから大丈夫か」
理佐子「そうでもないよ」
樹里「私に1番無いものだ(笑)」
理佐子「樹里の気性の荒さは天下一品だからね(笑)」
樹里「あっ言ったな~(笑)」
理佐子「冗談だよ(笑)」
樹里「気を付けるって~」
2人で笑う。
樹里「頑張れよ、新キャプテン」
そう言って、理佐子の肩を軽く叩く樹里。
理佐子「OK」
微笑みながら、ピースサインする理佐子。
◯建物・屋上(曇り)
生徒たちの洗濯物が干してある。
雨が降り出す。大雨になる。
友梨香、渚、他4人の生徒が慌てて洗濯物を取りにくる。
渚、洗濯物を取り込んで戻ろうとするが友梨香に気付く。
友梨香、顔を上に向けて大雨を見ている。
渚「友梨香!何やってんの!濡れるよ!」
他生徒も友梨香を見る。
友梨香「うわあああああ~~~!!!!」
友梨香、大雨に向かって突然叫ぶ。
渚と他生徒、唖然と友梨香を見る。
友梨香、それでも続ける。
渚、クスッと笑って友梨香に近づく。
渚、友梨香と一緒に同じように大雨に向かって叫ぶ。
他生徒も釣られたように2人に近づく。
全員で叫ぶ(何もかも忘れたいかのように)
叫んだ後に全員で笑いながら顔を擦り寄せ抱き合う。
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