4.ミッション

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4.ミッション

◯建物・屋上(朝)    藤井、外のゾンビをじっと観ている。 ◯建物内・ミーティング部屋    藤井と友梨香ら生徒たちがいる。 藤井「重要な話だ、よく聞け。     何日か化け物を監視して分かったことが有る。     建物の周りの化け物だが、     早朝は極端に少なくなることが分かった。     人間の習性も少しはあるのだろう。     全くいなくなる訳ではないが、あの人数なら、     トラックにある無線機を取りに行くことも可能だ。     深夜も少なくはなるが見通しが悪くて危険だ。     だが早朝なら問題ない」 樹里「えっ外に出るってことですか?」 藤井「ああ、無線機はどうしても必要だ。助かる可能性が高くなる」 理佐子「でも、どうやって?」 藤井「さすがに俺1人じゃ厳しい。サポートがいる」    藤井、友梨香と樹里を見る。 藤井「平山、松田、一緒にやってくれるか?」    友梨香と樹里、黙る。 藤井「お前たちなら出来る」    藤井、友梨香と樹里を見る。 友梨香「やります」 樹里「私も」 藤井「よし。渡部、お前はここにいろ。万が一の時はみんなを頼むぞ」 理佐子「はい」 藤井「齋木と中林は屋上からライフルで援護しろ。     俺たちに近づく奴を撃て」 未沙「はい」    アスナ、頷く。 藤井「成功する可能性は高い。自信を持て。だが油断はするな。     いいな?」 友梨香、樹里、アスナ、未沙「はい」(同時に返事する) ◯建物・屋上(早朝)    アスナと未沙、狙撃ライフルを構えている。 アスナ「私の足引っ張んないでよ」 未沙「そっちこそビビんないでやってよ」 アスナ「出てきた!」    藤井、友梨香、樹里が建物から出てくる。 ◯建物前の広場(早朝)    藤井、友梨香、樹里が自衛隊のトラックに向かって、    走っていく。    ゾンビは疎らにいる。    藤井、近くにいるゾンビを拳銃で撃ちながら走る。 ◯建物・屋上(早朝)    アスナと未沙、狙撃ライフルを構えている。 未沙「あっ3人に走っていく奴がいる!」 アスナ「任せて」    アスナ、狙いを定める。    アスナ、ライフルを撃つ。ゾンビの頭に命中。ゾンビ倒れる。 未沙「アスナ上手い!」 アスナ「もう1人いるよ!」 未沙「よし……」    未沙、狙いを定めてライフルを撃つ。    ゾンビの体に弾が当たる。よろめくゾンビ。    未沙、立て続けに撃つ。ゾンビの体に何発か当たる。    1発が頭に命中して倒れる。 アスナ「やるじゃん」    アスナと未沙、顔を合わせて微笑み合う。    アスナと未沙、再びライフルを構える。 ◯建物前の広場(早朝)    藤井、友梨香、樹里がトラックの前に来る。 藤井「お前たちはここで見張っていろ」 樹里「はい」    友梨香、頷く。 ◯自衛隊のトラック・中(早朝)    藤井、トラックの中に入って無線機を急いで取る。 ◯建物・屋上(早朝)    アスナと未沙、狙撃ライフルでゾンビを撃っている。 未沙「藤井さん、トラックに入ったみたい」 アスナ「そうみたいね」 未沙「いいぞ、順調だ」 アスナ「集中力、切らさないでよ」 未沙「分かってる」    アスナと未沙、狙撃ライフルでゾンビを撃ち続ける。 ◯建物前の広場・トラックの前(早朝)    友梨香と樹里がいる。    藤井が無線機を持ってトラックから出てくる。    友梨香、藤井が出てきたことに気付く。    樹里は違う方向を警戒していて気付かない。    小銃を構えている樹里。    藤井、無線機を背負うとする(リュックの様に)     子供ゾンビ(女)、トラックの下から地を張って出てくる。    友梨香、驚く。 友梨香「藤井さん!」    子供ゾンビ、藤井の右足首を噛む。 藤井「ぐっ!」    藤井、子供ゾンビに気付く。    藤井、子供ゾンビを拳銃で撃とうとするが止める。    藤井、子供ゾンビを振り払う。 藤井「行くぞ!」    樹里、藤井の声で振り向く。    藤井、友梨香、樹里、建物に向かって走る。 ◯建物内・防火扉の前(早朝)    藤井、友梨香、樹里がいる。    生徒たち、ワイワイ喜んでいる。    (藤井が噛まれた事は誰も知らない様子。     トラックの死角で観えなかった) 理佐子「やったね」    理佐子、樹里に話しかけている。 樹里「うん、上手くいった」    嬉しそうにしている樹里。 生徒たち「凄いね。窓から観てたよ!」「さすがだわ~」 未沙「ねえねえ、私たちも凄かったでしょ?」    自慢気の顔で言う未沙。 アスナ「あんたは結構外してたでしょ。      カバーするの大変だったわよ」 未沙「ちょっとぉ~当たってたよ~」    周りの生徒たち、笑う。    生徒たち、ワイワイ話しながらその場から去っていく。    藤井と友梨香はその場に立っている。 藤井「平山、俺が噛まれたことは誰にも言うな」    友梨香、藤井を見る。 藤井「化け物になる初期症状は、例外なく目が充血し、     傷口が変色する。更に体の震えも来る。     そして数時間後には確実に化け物だ。     ……俺の傷は浅い。しばらく様子を見る」    友梨香、頷く。 藤井「もう1つ平山に頼みがある。     俺が自分の部屋から全く出なくなったら、     その時は感染してると思え。ドアは開けるな」    深刻な顔で藤井を見ている友梨香。 藤井「心配するな、いざとなったら自分でケリを付けるさ」    そう言ってその場から立ち去る藤井。    友梨香、心配そうに藤井を見送る。 ○建物・屋上(夜)    友梨香が1人で立っている。    月の光が友梨香を照らしている。    友梨香、物思いにふけっているような表情で、    外をじっと見ている。 ◯建物内・ミーティング部屋    友梨香ら生徒たちがいる。    友梨香、椅子に座りながら机の上で、    銃の解体・整備をしている。    周りでは生徒たちがワイワイと話してる。    友梨香、拳銃の整備が終わり、    机にもたれ掛る(疲れたという感じで)    藤井、友梨香の頭をなでる。    友梨香、ドキッとした表情。    友梨香、後ろにいる藤井を見る。 藤井「フッ上手いじゃないか」    軽く微笑む藤井。    藤井、その場を離れる。    友梨香、部屋を去っていく藤井を見つめる。    <ここで曲が流れる。ある程度スピード感があって、    明るすぎず、暗すぎずなアイドルソング>    曲が流れてる間は青春映画っぽい、    女子高生っぽいワチャワチャした映像。    生徒たちの共同生活が一見楽しそうに観える映像を流す。    ここのシーンの映像で何日か経過してる感も出す。    生徒がカレンダーをめくるシーン。    調理室で食事を作ってるシーン。    みんなで食事してるシーン。    洗濯してるシーン。    掃除してるシーン。    寝てるシーン。    遊んでるシーン。    何人かでダンスを踊ってるシーン。    藤井がホワイトボードを使い、    生徒たちに何か説明してるシーンなど。
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