5人が本棚に入れています
本棚に追加
5.少女たちの行方
◯建物内・館内放送が出来る部屋
藤井、椅子に座りながら無線機を触っている。
無線機の反応は無し。
藤井、今日も駄目かという表情。
藤井、後頭部を手で支え違う方向を見る。
無線機から声が聞こえる。
藤井、食い付くように無線機を見る。
◯建物内・廊下
友梨香、歩いてる。
藤井「(館内放送の声)緊急連絡。
ミーティング部屋に全員集合だ。すぐ来い」
友梨香、何だろう?という顔。
◯建物内・ミーティング部屋
藤井と友梨香ら生徒たちがいる。
藤井「全員集まったな」
藤井に注目する生徒たち。
藤井「いい知らせだ。明日の午後、自衛隊のヘリコプターが、
俺たちを迎いに来てくれる」
生徒たち「やったあああ!!!」「助かった!!」「嬉しい!!」
歓喜する生徒たち。
樹里「世の中はどうなってるんですか?私たちの家族は?」
藤井「それが詳しく分かるのは明日だ。
安全な場所に行ってから全てが分かるはずだ」
生徒A「みんな無事かなあ?」
静まる生徒たち。
理佐子「とりあえず良かったじゃない。
ヘリコプターは屋上に来るんですか?」
藤井「そうだ。全員乗れる分のヘリは来るはずだ」
未沙「じゃあ、今日は祝賀パーティーだね!
豪勢な食事にしよう。いいでしょ?」
藤井「フッまあいいだろう。好きにしろ」
喜ぶ生徒たち。
藤井「だからって油断はするなよ。緊張感は持っとけ。
今から明日の段取りを説明する」
生徒たち、再び藤井に注目する。
友梨香も真剣な顔で藤井を見る。
◯建物内・食堂(夜)
友梨香ら生徒たちが食堂で食事をしている。
食事は出来る限りの豪華食。
生徒たちは楽しそうにワイワイ話しながら食べている。
◯建物内・食堂・有美がいるテーブル(夜)
生徒G「美味しい~このお肉!」
生徒H「ついにこれを食べれる日が来たね」
有美「最後の日に食べようって決めてたもんね」
有美たち、美味しそうにパクパク食べている。
◯建物内・食堂・奈月たちがいるテーブル(夜)
奈月「これで精いっぱいなの?今日の調理担当だれ?」
京乃「最後にしてはイマイチだよね~」
早織「まあ美味しいけどね」
文句言いながらも食べる3人。
◯建物内・食堂・友梨香がいるテーブル(夜)
生徒L「ついに出れるのか~」
生徒I「なんだかんだで、ちょっと楽しくなかった?」
生徒L「いや、楽しくはないだろ(苦笑)」
生徒J「まあ勉強しなくて済んだしね」
生徒I「だよね(笑)」
生徒K「友梨香、ありがとね。今まで随分頑張ってくれたよね」
友梨香、微笑みながら頷く。
生徒たち、楽しそうに食事をしている。
◯建物内・藤井の部屋(夜)
藤井、洗面所の鏡の前にいる。血を吐いている。
藤井、自分の目を鏡でチェックする。目は赤く充血している。
藤井、右足首の噛まれた傷も見る。変な色に炎症している。
藤井の左手が震えだす。それを右手で抑える。
藤井、手を抑えながらフッーと息を吐き、上を見上げる。
藤井「このタイミングでか……」
藤井、神妙な顔。
◯建物内・友梨香の部屋(夜)
友梨香、浴室の前にいる。制服を脱ぎ始める。
◯建物内・藤井の部屋(夜)
藤井、椅子に座っている。手にはワインが入っているグラス。
藤井、グラスを見て少し微笑む。そのグラスのワインを飲む。
藤井、グラスを机に置く。
藤井、机の引き出しを開ける。
◯建物内・友梨香の部屋・浴室(夜)
友梨香、シャワーを浴びている。
友梨香、頭からシャワーを浴びている。
目をつぶっている友梨香。
銃声音。
友梨香、パッと目を開く。
(銃声が聞こえて目を開けた訳はなく、
一瞬嫌な予感がした感じ。演出上タイミングを一緒にする)
◯建物内・藤井の部屋(夜)
生徒たちが集まっている。
友梨香、部屋に入る。
未沙「友梨香……」
未沙、泣いている。隣でアスナも悲しげな表情。
友梨香、部屋の奥の机を見る。
藤井が机にもたれ掛かっている。座った状態。手には拳銃。
机には血が流れている。藤井の頭からも血が出ている。
(拳銃で自殺した)
樹里「なんで……?」
生徒たち、みんな唖然としてる。泣いてる生徒もいる。
友梨香、死んでいる藤井に近づく。冷静な顔。
友梨香「噛まれていたの……藤井さん……
ウイルスが発症したんだと思う」
樹里「えっ?」
樹里と理佐子、友梨香を見る。
友梨香「みんなには言うなって。パニックになるからだと思う。
私たちの事を思ってだよ。
みんな藤井さんがいないと、好き勝手しちゃうでしょ?」
生徒たち「……」
友梨香、「でも……もう大丈夫だよね?明日までだもん」
生徒たち「……」
樹里「藤井さんの為にも生きるよ、絶対!」
樹里、泣きながら他の生徒に言う。
理佐子、樹里の隣で泣きながら頷く。
友梨香、藤井を見つめる。
◯建物内(深夜)
人気のない場所。
奈月、京乃、早織の3人がいる。
京乃「いよいよ今日までだね~」
早織「嬉しいけどさ、みんなどうなってるか不安だわ」
奈月「ねえ、最後に銃、撃ってみたくない?」
京乃「は?」
京乃と早織、奈月を見る。
奈月「あの人さ~結局、最後まで撃たせてくれなかったじゃん。
最初に手を挙げなかったからってさ~」
京乃「まあねえ~」
早織「撃ってみたいといえば、撃ってみたいかなあ~」
奈月「いい思い出になるよ~後々自慢話にもなる。
ゾンビを倒したと言えば英雄になれるって!
今までの恨みもある。1匹くらいやっちゃおうよ」
京乃と早織、苦笑い。
奈月「実はね~」
奈月、制服から拳銃を取り出す。
奈月、得意気に拳銃を2人に見せる。
京乃「えっどうしたのそれ?」
早織「いいの?」
奈月「いいじゃんさ~もう藤井もいなくなっちゃったし。
最後のチャンスだよ」
京乃「どうすんの?」
奈月「ゾンビを1匹入れる。朝方はそんなにいないでしょ?
のろい奴1匹くらいなら余裕だよ。怖くないよ」
◯建物内・友梨香の部屋(深夜)
部屋のカレンダー、過ぎた日に「✕」が付けてある。
友梨香、カレンダーを見る。
最後の日に赤ペンで大きく「〇」が付けてある。
◯建物内・防火扉前(朝)
奈月、京乃、早織の3人がいる。
防火扉の前にはバリケードテープのような物が貼ってある。
〔危険!!立入禁止!!入るな!!!〕の看板もある。
扉の前に机も並べてある。
京乃「本当にやるの?」
奈月「大丈夫だって。まずは私がやるから任せて」
京乃「もう6時過ぎてるけど大丈夫なの?」
奈月「大丈夫っしょ」
早織「なんかドキドキしてきたわ」
机をどかしながら話す3人。
◯建物内・防火扉前(朝)
京乃と早織、扉を開ける準備をしている。その前には奈月。
早織「じゃあ開けるよ」
奈月「いいよ」
京乃と早織、扉を開ける。
奈月、拳銃を構える。
扉を開けると、外側にいるゾンビは3人だけ。
奈月「1匹だけ入れて!」
京乃と早織、音を立てて誘う。
1人のゾンビが気付き、近づいて入ってくる。
京乃「こわっ」
奈月「扉閉めて!」
京乃と早織、1人のゾンビが入ってきたと同時に、
防火扉を閉めようとする。
その様子を外側の女ゾンビが見ている。
防火扉締まる。
◯建物内・防火扉前(朝)
ゾンビ、奈月に向かってくる。動きは遅い。
奈月、ゾンビを目の前にして顔色が変わる。
奈月「やっぱ無理だわ、ゴメン京乃、先にやって!」
奈月、拳銃を京乃に渡す。
京乃、ビックリする。
京乃「ちょっ、ふざけないでよ!無理だよ!」
早織「扉を開けてこいつ戻そう!」
早織、慌てたように言う。
奈月「うん、そうしよう!」
早織、防火扉を開ける。
開けた瞬間、複数のゾンビが入ってくる!
(京乃と早織が最初に扉を開けた時、
それを見た女ゾンビが集めてきた)
早織「きゃああああああ!!!」
早織、そのゾンビたちに襲われる。(早織・死)
奈月と京乃、それを見て青ざめる。
奈月と京乃、急いでその場から逃げる。
(京乃は拳銃を捨てて逃げる)
◯建物内・開いてる防火扉(朝)
大勢のゾンビが続々と中に入ってくる。
◯建物内・食堂(朝)
アスナと未沙、2人だけいる。
食堂の椅子に座ってる2人。
拳銃の整備をしながら会話している。
未沙「帰れるのはいいけどさ、外はどうなってるんだろう?」
アスナ「どうかな」
未沙「心配じゃないの?家族とか」
アスナ「そりゃあ、まあ」
未沙「ん……?」
未沙、何かに気付き顔を違う方向に向ける。
未沙「何か悲鳴みたいな声しなっかった今?」
アスナ「えっ本当?」
未沙「うん、ちょっと見てくる」
未沙、食堂から出る。
◯建物内・廊下(朝)
未沙、拳銃を持って悲鳴が聞こえた方向へ歩いていく。
未沙、角を曲がる。
そこにはゾンビが1人いた。
未沙「はっ!」
ゾンビ、未沙に襲い掛かる。
◯建物内・食堂(朝)
アスナ、1人で机に座ってる。
誰かが入ってくる。
アスナ、気付く。入ってきたのは未沙。
アスナ「遅いよ、何やって……」
アスナ、未沙を見て驚く。未沙の首から血が流れてる。
未沙、傷を抑えながらフラフラとアスナに近づく。
アスナ「どうしたの!?」
アスナ、急いで未沙に駆け寄る。
未沙、倒れる。
アスナ、未沙を起こす。
アスナ「何があったの!?」
未沙、息が乱れてる。
未沙「あいつらが……化け物たちがいる……」
アスナ「えっ!」
未沙「みんなに知らせて……逃げて……アスナ……」
苦しそうに話す未沙。
アスナ「……未沙、待ってて!」
アスナ、急いで食堂から出る。
◯建物内・友梨香の部屋(朝)
友梨香、ドアを開ける。
開けると樹里がいた。
樹里「ちょっといい?」
◯建物内・友梨香の部屋(朝)
友梨香と樹里、ベッドの端に隣同士で座っている。
樹里「いよいよ出れるね、ここ」
友梨香「そうですね」
樹里「……藤井さんは残念だったね……」
友梨香、頷く。
樹里「あの人がいなかったらどうなってたか……
最後もちゃんと書き置きしてくれてたしね……
あれこれ守れとか長い文章だったけど(苦笑)
本当に感謝だね……」
友梨香「はい、いい出会いが出来ました」
友梨香を見て頷く樹里。
樹里、クスッと笑う。
樹里「もう~~みんな弱くて嫌になっちゃった。
それとも私が強すぎ?」
話すテンションを切り替える樹里。
友梨香、フフフと笑う。
樹里、立ち上がる。
樹里「よしっ、藤井さんもいないし何が起こるか分からない。
最後まで油断しないようにしようね」
友梨香「はい」
樹里「頼りにしてるぞ、1年坊!」
友梨香、微笑みながら頷く。
アスナ、友梨香の部屋に慌てて入ってくる。
樹里「アスナ?」
アスナ「大変なの!化け物たちが中に入り込んできてる!!」
樹里「なんで!?」
驚く樹里。
アスナ「お願い!みんなに早く知らせて逃げて!!」
樹里「分かった!友梨香、行くよ!アスナは?」
アスナ「未沙が怪我してるの。戻る」
樹里「えっ……でも?」
アスナ「お願い、早く!」
目で樹理に訴えるアスナ。
樹里「分かった!」
友梨香と樹理、部屋を出る。
◯建物内・食堂(朝)
アスナ、息を切らしながら入ってくる。
アスナ、倒れている未沙に急いで駆け寄る。
アスナ、未沙を抱き寄せる。
アスナ「未沙!!」
未沙は目をつぶったまま動かない(死んでいる)
アスナ「未沙……(泣く)」
アスナ、未沙の顔を寄せてきつく抱きしめる。
そこに大勢のゾンビが食堂に入って来る。
アスナ、そのゾンビたちを睨む。
大勢のゾンビ、アスナに近づいてくる。
アスナ、未沙を抱き寄せる。
アスナ、手榴弾を何個か持っている。
アスナ「こいよバケモン」
怒りの表情のアスナ。
大勢のゾンビ、目の前に近づく。
アスナ、手榴弾の安全ピンを抜いて爆発させる。
凄い音の爆発音。
食堂が炎に包まれる。(アスナ・死)
◯建物内・館内放送が出来る部屋(朝)
友梨香と樹里、急いで部屋に入る。
樹里、マイクを取る。
樹里「緊急連絡!ゾンビたちが侵入した!!
みんな早く外に逃げて!急いで!!」
マイクに向かって叫ぶ樹里。
友梨香、その様子を隣で見ている。
樹里「えっと……集合場所は……」
友梨香、何かを思い出す。
友梨香「海!この近くに観光場所の海がある!」
友梨香、樹里に進言する。
樹里、友梨香をチラッと見てすぐにマイクに向かう。
樹里「建物から出て海に向かって!!観光場所の海に集合して!!」
樹里、マイクを置く。
樹里「私たちも行くよ!!」
友梨香と樹里、急いで部屋を出る。
◯建物内・各所(朝)
生徒が次々とゾンビたちに襲われるシーン。
生徒たちは断末魔の悲鳴。
◯建物内・3階の廊下
生徒G「きゃあ~!!!助けて~!!!」
生徒G、ゾンビに襲われている。
生徒G、尻もちをつきながら、後ずさり。
ゾンビ、生徒Gに襲い掛かる。
何発かの銃声音。ゾンビに弾が当たる。
ゾンビ、倒れる。
撃ったのは樹理。小銃を構えている。
樹理の隣には友梨香がいる。
生徒G「樹里さん!」
樹里「大丈夫?みんなは!?」
生徒G「分からないです。
ゾンビがいっぱい入ってきて、
みんな混乱して、バラバラに逃げました。
でも、4階の避難袋で逃げようって子もいました。
私も今、そこに向かおうとしてたんです!」
樹里「そうか、藤井さんがみんなに教えてたもんね」
友梨香「4階に行きましょう」
樹里「そうだね」
理佐子「樹里~~!!」
理佐子、廊下の奥から走って向かってくる。
樹里「理佐子!」
生徒G「私はもう行きますね!」
生徒G、待ちきれないという様子で走り出す。
樹里「あっ!ちょっと!」
生徒G、走っていく。
理佐子、樹里と友梨香に近づいてくる。
樹里「良かった、無事だった?」
理佐子「どうなってるの!?」
樹里「話はあと!
とりあえず4階の避難袋で脱出する!行くよ!」
友梨香、樹里、理佐子の3人、走り出す。
◯建物内・廊下(朝)
奈月と京乃、廊下にいる。
行く手には大勢のゾンビ。
京乃「駄目だ、どうしよう!ヤバいよ!」
奈月「……助かる方法あるよ」
京乃「どうすんの!?」
奈月「こうすんだよ!」
奈月、京乃をゾンビたちに投げ飛ばす。
ゾンビたち、京乃に襲い掛かる。
京乃「いやあああああ~!奈月~!!!」(京乃・死)
奈月、ゾンビたちが京乃に襲い掛かってる隙を見て逃げる。
◯建物内・屋上への階段(朝)
生徒IとJ、必死で階段を駆け上がっている。
屋上に逃げ込もうとしている。
足の速いゾンビたち、奇声を発しながら2人を追いかけている。
生徒I「追いつかれちゃうよ!」
生徒J「もう少し!」
息を乱しながら言う2人。
屋上のドアが見えてくる。
生徒I「早く、早く!」
生徒J、屋上のドアを開ける。外の光がパッと見える。
が、その瞬間ゾンビたちが追いつき2人に噛みつく。
生徒I「きゃあああああぁぁぁああああ!!!!」
生徒J「やだあぁ~~!!!助けてえぇ~~~!!!!」
屋上のドアがパタンと閉まり、光は消え暗くなる。
◯建物内(朝)
瑞葉と生徒3人、ゾンビたちに追い込まれている。
後ろは行き止まり。
瑞葉、拳銃でゾンビを撃ちまくっている。瑞葉は無表情。
生徒3人、瑞葉を壁にするようにして隠れている。
瑞葉以外の生徒は泣いている。
瑞葉たち、どんどんゾンビに追い詰められる。
瑞葉、ひるまず最後まで撃つ。
大勢のゾンビに囲まれ観えなくなる瑞葉たち。
(瑞葉と生徒3人・死)
◯建物内・廊下(朝)
奈月、廊下を走っている。
奈月、止まって一息つく。
奈月「冗談じゃない……死んでたまるかっつーの!何で私が!」
奈月、ハッと後ろに気配を感じる。
ゾンビだった。
奈月「きゃっ……」
叫ぶ前にゾンビに頭を持たれ、ガブリと頭を噛みつかれる。
(奈月・死)
◯建物内・4階の廊下
友梨香、樹里、理佐子の3人、走っている。
樹里「あそこ!」
避難袋が4階の窓から出ている。
理佐子「来る!」
足の速いゾンビたち、3人に向かってくる。
友梨香、樹里、理佐子、3人で同時に銃を撃つ。
3人とも何発も撃つ。
ゾンビたちに弾が当たる。ゾンビたち倒れる。
樹里「今のうちに!友梨香、行って!」
友梨香、避難袋に入る。
またしても、ゾンビが迫ってくる。
樹里と理佐子、銃で応戦。
樹里「次は理佐子、行って!」
理佐子「うん!」
理佐子、避難袋に入る。
樹里、銃を構えて周りを警戒ししながら、避難袋に入る。
◯建物外・避難袋前
樹里、避難袋から出てくる。
と、同時にゾンビも避難袋から出てくる!
理佐子「樹里!」
樹里「!!」
樹里、後ろを振り向く。
ゾンビ、奇声を発しながら樹里に襲い掛かる。
友梨香、銃を撃つ。
ゾンビの頭に命中。ゾンビ、倒れる。
樹里「危なかった……ありがとう友梨香」
友梨香、頷く。
理佐子「何とか出れたね……」
樹里「まだだよ。まだ安心できない……」
友梨香、樹里、理佐子、外のゾンビたちを見る。
外にも大勢のゾンビがいる。
◯建物前の広場(朝)
友梨香、樹里、理佐子に気付いたゾンビたちが、
3人に向かってくる。
友梨香、樹里、理佐子、銃で応戦する。
ゾンビ、友梨香に飛びかかる。ゾンビがマウント状態になる。
樹里と理佐子は他のゾンビ相手で助けられない。
友梨香、ベルトで足に巻いてあるホルダーから、
ナイフ(銃剣)を取り出す。
友梨香、ナイフをゾンビの頭に突き刺す。
ゾンビ、倒れる。(ナイフはゾンビの頭に深く刺さったまま)
友梨香、立ち上がろうとする。
その時に目の前のボールに気付く。
(友梨香が屋上から投げたボール)
友梨香、咄嗟にそのボールを拾う。
友梨香、すぐに走り出す。
◯建物の外(朝)
友梨香、樹里、理佐子、銃でゾンビを撃っている。
逃げる道が開けてくる。
樹里「よし、いくよ!」
樹里に続き走ろうとする友梨香。
理佐子「待って!」
理佐子、友梨香と樹里を引き留める。
樹里「何!?」
理佐子、2人に腕を見せる。
樹里、驚く。
理佐子の腕にはゾンビに深く噛まれた傷跡があった。
理佐子「もう駄目みたい……この傷じゃ……」
樹里「嘘でしょ……」
友梨香も深刻な顔。
理佐子「2人だけで行って……」
樹里「理佐子……」
理佐子「私はここで……化け物になりたくないから自分でやる」
樹里「理佐子……(泣く)」
2人を見守る友梨香。
友梨香「行きましょう樹里さん、理佐子さんの為にも」
理佐子、友梨香を見て頷く。
理佐子「行って!」
樹里「ゴメン理佐子……(泣)……今までありがとう……」
理佐子「うん……ありがとう」
樹里と理佐子、手を繋ぐ。
友梨香と樹里、その場を離れ走り出す。
理佐子、それを見守る。
ゾンビの群れ、理佐子近づいてくる。
理佐子、それを見て拳銃を自分の頭に付ける。
理佐子、目をつぶって泣く。
◯山道の道路(朝)
友梨香と樹里、海に向かって必死に走る。
最初のコメントを投稿しよう!