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『あぁ…うぅ……うぁぁ…痛いじゃないですか、ドラーグ。もう少し手を緩めてはいかがですか?』
なんと、ドラーグの現時点トップクラスの破壊力を誇る怒竜爆焔斬を受けたにも関わらず、神矢は何事もなかったかのように立ち上がった。
『まさか……自身の死の瞬間をデータに変えたのか?』
『その通りだよ…ゲームキャラがやろうとしない唯一の行動…それは“学習”だ。ならば、ゲーム世界において学習という行為がどれだけ恐ろしいものなのか…私はここに目をつけ、これを作った。このコスチュームはゲージがゼロになった瞬間、即座にリセットをかけると同時に耐性を付けつつ強化するのさ。どうだい、画期的だろ?』
「己の死を受け入れないなど…それでもお前は人間なのかぁ!!」
『人間だとも!私はねぇ…ここで研究されている電脳世界…リアリティの世界がもたらす可能性に無限を見た!私はその力で世界をも変えるのだぁ!』
〈DEAD END〉
『加減はしますが…その口、封じてくれる!ぬぁぁあ!』
神矢は右足に黒いオーラを纏わせ、そのままサマーソルトをする要領で蹴りつけた。
その威力は凄まじいの一言につきた。ドラーグはそのまま人間態の竜平の姿に戻ってしまった。
「これで分かったでしょう…私の本気を。」
「なっ……………………」
竜平はそのまま何も言い返せずに崩れ落ちるように倒れてしまった。
―後日、臨海東市民病院・102号室―
「竜平、生きてるか!」
「生きている…勝手に人を亡き者扱いするのはやめろ。後、ここは病院だぞ。」
「悪かったな…けど、そんな包帯まみれになって…一体何があったんだ?」
蓮は焦りぎみな口調で質問した。
「悪い…氷上神矢と接触した際に、派手にやられたんだ…」
竜平はこれまでのような覇気のある声ではなく、どこにでもいるようなか弱い少年の声で悔しそうに言った。
「それで…奴から何か聞き出せたのか?」
「……遠くに聞こえた声なら、覚えている。奴の……狙いは」
~次回~
竜平から明かされる神矢の野望…その狙いは…
次回、〈秒速の死闘〉
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