2-01 新たな依頼

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「いや、十分意味はあるよ、アラタ。君たちの力添えがないことにはこの計画は進まないんだよ。竜平、君も参加するんだ…いいね?」 「断る…俺は竜平との決着がつけばいいだけだ。計画などという暗い物事に手を出すなど戦士のやることとは思えん!失礼するぞ。」 赤茶のロングコートを着た少年・竜平はかなり不機嫌そうに地下室を出ていった。 『ま、何にせよ…いい加減オレの出番もくれないと困るんだよねぇ…ゲームマスター神矢さん?』 「君のギアについては安心するといい。何せ新型でなおかつ君専用のものを用意するからね。」 『首を長くして待ってて…って感じか。じゃあ、気長に待つよ。』 レイドプレイヤー01・アラタは無邪気に笑うといつものようにハンモックで横になった。 ―昼放課・屋上― テストを四時間もやらされたオレたちは半ばへとへとになったものの、クリメアとの先約を守るべく屋上に来た。 「それで…長くなるほどの話ってなんだよ、クリメア?」 『実はね、有瀬さんから伝言をもらってきたの。この音声を聞いてもらえれば分かるから。』 クリメアは自分の目の前にメニューバーを開くと、音声データファイルをタッチした。 『やぁ、一ノ瀬くん…そしてFour Animalsの皆。未だ私は獄中だが、君たちに頼みたいことがあるんだ。といっても、蓮くんは感づいてるかもしれないね。』 「どういうことだコラ、何でもいいから早く話せよデータの創作バカ!」 『さて、君たちも知っての通り…この町は東、西、中央の計三区に分かれている。君たちがいる東区では今まさに“計画”が実行に移されようとしている。私が止めてほしいのはその計画だ。氷上神矢の立てた計画…〈AR RIZE〉は完遂されればこの町全てが“管理”されてしまう!恐らくそろそろ動き出す頃だ…私も出たいが、公に姿を現せば君たちを社会の敵に染め上げかねない…バックアップという形ではあるが手を貸す、共にこの町を守ってくれ!』 音声メッセージはここで途切れた。
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