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レイドRISE
「どうして分かってくれないんだよ!お前の友達は佐野を心配してるんだぞ!」
『俺に……友達なんていないんだよぉ!』
次の瞬間、佐野の体から黒いオーラと共に紫色のチューブのようなものが吹き出し、彼をすっぽり包んだ。その中から出てきたのは…
レイドボスそのものだった。
―レイドボス 固有名:KONG CP:1500×3―
新太のライブギアにはこう表示された。
「嘘だろ……なんでこんなことになったんだよ!頼むよ佐野、何があったかだけでも教えてくれ!」
『グォォォォオ!この力があれば俺は最強だぁ!』
バキッ……
「がはっ……やめろ、お前と戦ったらお前の友達を悲しませるんだ!俺だってお前を助けたいんだよ!」
『戦いを本気で楽しまないやつに助けられたくないんだよ、俺は!』
KONGは、地面に思いっきり拳を打ち付け、砕けた土の塊を豪快に飛ばした。
「……そこまでやるなら、しょうがないか。それじゃ、こっちだって!コスチュームアップ!」
新太も、不本意ながらバトルコスチューム姿となり、戦闘を開始した。
「やるからには全力でぶっ倒してやる!うおおおっ!」
ガギィィィン……
『俺のこの拳はルーエル様からもらったもの。そんな柔な剣で砕けるとでも思ったのか!?』
「くっ……いつまでも調子に乗れると思うなよ!俺だってクレイジーな武器の一つや二つくらい、用意できんだよ!」
〈set,cyclone Blade!〉
電子音声に合わせて、新太のコートと剣が合体し、彼の身の丈と同じくらいの大剣になった。
「これでも……食らえぇぇぇぇ!」
〈cyclone break!〉ズバァァァン…
KONGは新太の怒りの一撃で、木端微塵になり爆発四散した。それに合わせるようにゲームフィールドも消失した。
―その後、2-E教室―
「お前は朝早くから何面白そうなことしてんだよ、バーカ!」
……せっかく頼まれて人助けしたのに、この仕打ちは無いだろ。
「いや、実は…さっきオレ、レイドボスと戦ったんだ。」
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