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「くっ……師匠たちが苦労して守った街を…」
蓮は煮え切らない怒りを拳に滲ませた。
「蓮、気持ちは分かった。だが今は、いかに流通を阻止できるかが問題だろ?お前がお前なら…必ず止めれると信じ、俺は別で動く。」
竜平は蓮を宥めると、そのままどこかへ姿を消した。
―昼放課、屋上―
「今朝校内で発生したゲームフィールドと、その中にいた存在から回収したこいつの因果関係関係が分かった。」
蓮は冷淡な口調で話ながら、先の戦いの押収品を床に広げて、記録されていた映像を開いた。
そこには本校の生徒である佐野が、黒いギア…SLAVEギアを使用する場面があった。
「まさか……ねぇ、蓮。」
「どうした、二菜…こいつか何かに心当たりでもあるのか?」
「もしかして…このギアの出所って…」
「ああ、10…竜平も言ってたけど、間違いなくお前以外のレイドプレイヤーの誰かの可能性が高い。」
それを聞いた二菜は思わず悲鳴をあげるどころか顔面蒼白になってブルブル震えた。
「怖がらせちまって悪いな…けど、紛れもねぇ事実なんだ。お前だって覚悟決めたんだろ?」
「そうだけど……それでも……怖い。」
「大丈夫だって!オレたちは四人いて初めて最強最高なんだぜ!誰か一人が怖い思いをしてたら、全員一丸になって乗り越えようよ!」
新太は震える二菜の背中を擦りながら、ストレートにこう言った。
「新太くんの言う通りよ!アタシたちはチームなんだから、一度共有した情報は全員で調べ尽くしましょ!」
新太につられて三樹もベンチから立ち上がって言った。
「相変わらず新太も三樹も…クレイジーなヤツだな。おぉし分かった…まずはこれの出所を突き止めるとこから始めんぞ!」
「「「おーっ!」」」
―その頃、cans本社地下―
「なぜ勝手な真似をした…君たちの仕事は私が発生させたフィールド内に人々を呼び込むことだ!化け物を増やしてどうする?」
『いつまでもお利口に待ってるのは嫌なんだよねぇ…だからさ、せめてボクたちの仲間を増やそうって思ってさ!』
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