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オマケの後日談
あの『俺史上最高!奇跡の土曜日』からもう何年も経った。あの時の弁護士さんが頑張ってくれて借金は無くなっただけじゃなく、全額返金された。返された金は将来のために貯金してみた。
あれから俺たちは、毎年お互いの誕生日にプレゼントを贈り合う。去年はホテルでディナーを食べた。一昨年は夢の国へ連れてってくれた。
ネクタイもスーツもワイシャツも革靴も、誕生日の度に晃陽さんが買ってくれて。
今じゃドレスコードなんて、あってもなくてもどこでも行ける。
俺も、あまり高いのは無理だけど色んなものを贈った。晃陽さんは、それこそ道端で拾った小石でも喜びそうだから。ほんとに。
そういうのって選ぶのに苦労すんだってば。
そしてお互いの誕生日には「おめでとう」の言葉と一緒に歳の数だけキスをする。
触れるだけのキスも深く甘いキスも。
そうして、お互いに愛を囁いてずっと一緒にいた。
俺の部屋に晃陽さんの私物が増えて、晃陽さんの泊まる頻度が多くなって。
不経済だねって俺が引っ越す前に晃陽さんが引っ越してきて。
3回目の俺の誕生日にペアリングを貰って。ずっと一緒にいようねって泣く俺にキスをしてくれて。
会食のない日は俺が作った弁当を持っていく晃陽さんの蕩けるような笑顔をもう何度見ただろう。
あちこちに手を出した晃陽さんの社長業が忙しくなった。高校時代の同級生と手を組んで新たな事業を興して。日本全国津々浦々に出張に行く回数が増えて。俺は1人でいることが増えた。
それでも、毎週土曜日は激安大型スーパーに買い物に行って。2人分の料理の下ごしらえをして。
晃陽さんが帰ってくるのを心待ちにしてた。
いつものように玄関を開けてとびきりの笑顔で「ただいま」って。・・・そう言ってくれると思ってたんだ。
「ごめん」なんて聞きたくないよ。
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