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土曜日
精も根も尽き果てたとは、この事だ。
「やり過ぎだろーが!!!」
目が覚めた時、カーテンを閉め忘れた寝室の窓から朝日じゃない陽の光が届く。
え?何時よ、今。
って、ガバッと起き上がってベットの上で ウッて蹲る。身に覚えのある痛みがビリビリと全身を襲う。
・・・つーか、なんでいないの。
隣に寝ているはずの愛しい人がいない。温もりを探して伸ばした手に当たったのは冷たいシーツ。
帰っちゃったのかな。やっぱり汚いから。
・・・また1人なのかな。
昨日から何度泣いたろう。嬉しくて泣いて、感じ過ぎて泣いて。
でも、昨日の今日で悲しくて泣くとは思わないだろ!!ヤリにげすんな!!
「起きたか?」
思いっきり声のした方を向く。
いないと思ってた人がいた。
嬉しくて手を伸ばそうと、腕を持ち上げたところで・・・止まった。
え?なに?なんなの?
ちょっと待って。ねぇ待って。
涙をためていた目がバカみたいに見開かれて、溜まっていた涙がこぼれる。
「ああ、泣くな。今メシ温めてるから」
そう言って俺の頭を抱きしめ「ヨシヨシ」ってして「もう少しだから」って頬っぺにチュってしてドアの向こうに消えたけど。
・・・くっっっっそかっこいいけども。
いやいやいや。ないわー。
俺のスウェットじゃねぇか!や、どう見ても小せぇよ?裾がふくらはぎの真ん中じゃん。てか裾のびるから!
で?そのTシャツを選んだ理由なに?ピッチピチじゃん!!
それ、俺が高校1年の時に着てたやつ!今でも着れるけども!!
そしてどこから引っ張り出した!そのフリフリなレースのエプロン!小さすぎて何事かと思うわ!!誰のだ!!
更には意味不明なお玉!昨日の食事を温めてるなら、汁物は無かったはずだぞ!!!
なんの為のお玉だ!
いくら着るもんなかったって言ったって、自分のスラックス履けばいいじゃん?ワイシャツも別に洗ってる訳じゃなさそうだし。てか、洗濯出来なさそうだし。
なんでわざわざ、それチョイスしたよ。
装備品が不思議すぎる。全部全部!総取っ替えだわ!!
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