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「ほんとにごめん」
・・・土下座の勢いですけども。
何してくれてんの。ねぇ。
「謝ってすむ問題とすまない問題があってですね?」
静かに怒る俺に、どんどん晃陽さんは小さくなって。
・・・そのまま消えてしまえ。まったく。
事の発端は、先週の晃陽さんの出張。行先は北海道。
今度は北海道で新規事業。
・・・それはいい。俺に発言権はないし。
でもさぁ。これに関しては、思い切り発言権どころか文句言ってもいいと思うんだよ。
「何だって、こんなアホみたいな買い物したのさ」
玄関に置くように指示した、山積みの発泡スチロール。大小取り混ぜておおよそ20箱。
玄関は出入りする場所で、発泡スチロールの鎮座する場合ではないです。
バカですか。そうですか。
しかも全部生物じゃん。蟹とか。イクラとか。イカとか・・・まぁ、百歩譲って食べ物は良しとしましょう。
ねぇ、この毬藻の大群。どうすんのさ。
百均で売ってそうなカラフルな取っ手の付いた蓋の、毬藻の入った瓶。
軽く100個はあるんだけど。
「ほ、ほら、本社の皆にお土産にさ」
もう、ため息しか出ない。
本社の人達にお土産なら、100個じゃ足りねぇじゃんよ。仮に友人への土産ってんならわかるよ。100人くらいいそうだもんな。
・・・受け取るとは思わないけど。
・・・絶対面白がったか、同行の友人・渋谷さんと競ったか。・・・後者とみる。
「2人でいくつ買ったの?」
「俺はヤツより少ないから!」
「い、く、つ、買ったのか聞いてんの」
「250?」
「バカでしょ!なにしてんの!!いい年した大人が!!!」
お土産屋さんもいい迷惑じゃん!
あのさぁ・・・
「もしかして、これも渋谷さんと?」
「俺はあんなに買ってないって!」
「量の問題じゃないでしょーが!!!」
てか、大の大人がなにしてんの。
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