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「月曜日、デートしようか?」
「…デ、ェト…?」
「そう。 丁度、学校休みだし…それに」
月曜日は、クリスマス・イヴ。
そうと気づいた航基の顔に、輝くような笑みが浮かんだ。
…大輝に授けられた『ヤマ』のおかげで、補講のない冬休みが決定している。
その喜びを祝うに相応しい、クリスマスのプレゼントとなる和馬の言葉に微笑んだ航基は、抱きしめてくれる和馬の広い胸に頬を預け、言葉では足りない想いを噛みしめた。
(幸せだ…)
「楽しみだな」
「…ああ」
恋の手触りを確かめていた頃とは違うときめきと、胸が上擦るような幸福に包まれながら、窓から漏れる光に見え隠れする雪を眺めていた二人の指先が触れ合い、無言のまま指と指を絡ませ――手を繋ぐ。
繋いだ指先から伝わる互いの熱が教えてくれる幸せに身を委ねながら、
これからもこういう瞬間を二人で見たい…と願う気持ちを込めて、
暫くの間、降る雪を肩寄せ合い…見つめ続けたの、だった―――…
Happy end…
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