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束になった原稿用紙を受け取り、私は目を通していく。
すると不意に、先生が立ち上がった。
「お茶、用意するよ。いつもの緑茶でいいかい?」
先生は、先生宅に来てだいたい私が飲んでいるものを把握していた。
「あ、はい。頂きます」
「ん。最中にも合うしね。さっちゃんも一緒に食べようね。甘いものっ、甘いものっ」
先生は機嫌良くそう口ずさんで、客室を出て行った。
……さっきまで拗ねてたり怖がったり、不安そうにしていたのに甘いものだけで明るくなったり、忙しい人だ。
表情がころころ変わる面白い先生にくすりと笑ってから、気を引き締めて原稿に集中した。
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