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どうやら、先生のペンが止まってしまったのは私のせいらしい。
確かに官能小説だけの雑誌の前号の予告で、先生の話に大きな展開が起こるかもしれないという内容を載せた。
だけど、それは先生の作品のファンである読者の“熱”を更に燃えさせて電子及び紙雑誌など書籍の売上に貢献する、私の仕事のうちの一つをしただけ。
先生にプレッシャーをかけることだとしても、いつもそう思っている私は先生ににこりと微笑んだ。
「最中でも食べれば元気が出ますよ」
『はい』、と先生に最中を一つ箱から出して渡す。
「最中で釣ればなんとかなるって思ってるんでしょ。俺の好きなものが甘いものだって知ってるからって、いつも計算したように」
先生はムッとしながら、拗ねた口調で言った。
……私より二回り近く年が上なのにこういう子供っぽいところがあるんだよね。
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