花嫁は御曹司様に愛されて

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1.花嫁 私は己龍新人【キリュウアラト】の花嫁。 花嫁って言う言葉が私は素敵だなって思います。 私のお名前は久遠和葉【クオンカズハ】。 年齢20歳で職業が大学生。 大学生なのですが、実の所はそんな講義には出ていません。 理由は己龍新人の傍に居たいからです。 お相手のお名前は己龍新人【キリュウアラト】。 年齢25歳で職業が御曹司です。 私は今、己龍邸で新人とご一緒に暮らしている。 新人のおかげで私は己龍邸にいれるのですが、それは喜ばしい事なのに 私は素直に喜べない。 理由はやっぱり、身分の差が気になっていて私は大学生で新人は御曹司 だから本当にこれでいいのかなって思います。 新人に言うとそんな事は気にする必要ないと言うけれど、私はすごく気になって どうしようもありません。 ただし、新人に言わせれば俺が和葉を選んだんだから、もっと自信を持っていいよと 言われています。 きっと私はそれだけ新人に愛されているのでしょうか。 今も私は新人の隣に座っていて雑談をしている。 「和葉って大学生には見えないよな」 「じゃあ、私は何に見えるの?」 「花嫁だな」 「花嫁って……新人の馬鹿……」 私は赤面をしていると新人に寄りかかった。 「寄りかかってきてどうしたんだ?」 「こうしていたいの、ダメかな?」 「いやっ、ダメじゃないぞ」 「ありがとう、新人」 すると新人は私の唇に口付けをしてきたのだった。 「新人ったら、何をしているの」 「口付けをしただけだ、それに和葉の横顔が可愛くてな」 「もうっ、新人は調子良い事ばかり言って、本当は口付けしたかったんでしょ?」 「何だ、バレていたのか」 「最近、私もね、新人の事がわかってきているからね」 「じゃあ、今、俺が何を考えているのかを当ててみろ」 「わかった、当ててあげるね」 私は新人が今何を考えているのかを当てる事にしている。 「もしかして膝枕して欲しいの?」 「さすがだな、わかっているじゃないか」 「膝枕してあげるね」 「頼むな」 私は正座をすると膝枕をできる態勢にするのだった。 それを見ていた新人が私の膝に頭を乗っけてくると新人は 「和葉の膝枕は寝心地が良くていいよな」 「そうなの? 私にはよくわからなくて」 「だってな、和葉の膝枕って言葉では言い表せない程にいいんだ」 「それって褒めてるの?」 「ああっ、褒めているのさ」 「ありがとうね、新人」 私が膝枕をしてあげていると新人は気持ちいいのか、寝息を立てて寝てしまっている。 「新人ったら寝ているのね」 私は新人の寝顔を見ているだけで幸せと思うのはおかしいのかな。 ほらねっ、愛している人の寝顔を見ると落ち着くし、それにこうやって見ていると 口付けをしたくなるの。 それにね、新人と出会った事によって私の人生も変わった。 新人と出会う前は本当に平凡な暮らしでつまらない人生で退屈な日々を過ごしていた。 でもね、新人と出会ってからは毎日が楽しい日々でドキドキワクワクしている。 こんな私を新人は大切にしていてくれて愛してくれている。 私も新人の事は大事でとても愛している。 そんな事を考えていると新人はまだ寝息を立てて寝ている。 私は寝ている新人の唇に口付けをしてあげた。 こうやってするのは本当に恥ずかしい限りです。 普段の口付けは新人の方からしてくれるので私はそこまで恥ずかしくはありません。 こうやっていつまでも新人の寝顔を見ていたいな。 すると新人は目を覚まして 「あれ? 俺は寝ていたのか?」 「うん、新人は寝ていたよ」 「そっか、悪いな、せっかくお話してたのに」 「ううん、きっと疲れているんだよ」 新人は起き上がると 「和葉、コーヒー飲むか?」 「うん、飲みたい、ミルクと砂糖もお願いね」 「わかった」 新人はキッチンに向かうと二人分のコーヒーカップにコーヒーを入れて持ってきてくれた。 「これが和葉のでミルクと砂糖、後かき混ぜるのにスプーンもな」 「ありがとう、新人」 「新人は相変わらずブラックコーヒーなの?」 「そうだな」 私は新人が持ってきてくれたコーヒーにミルクと砂糖を入れてスプーンでかき混ぜると 口に運んで飲んでいく。 「美味しい」 「そうか、それは良かった」 「私ね、ブラックコーヒー飲めないからさ、ミルクと砂糖ないとダメなのよね」 「飲めないものを無理して飲む必要はない」 「そうだよね」 コーヒーを飲むと本当に落ち着く。 私もブラックコーヒーを飲みたいけど、苦くて飲めない。 こんな生活をいつまでも送りたい。 そういえば、新人とデートしたいな。 私がデートをしたいって言えば、新人はデートに付き合ってくれるのかな。
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