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その日の朝、私は電話をかけた。
電話の相手は山村くんだ。突然の電話に驚いたのか山村くんは「何かあったの?」と訊ねた。
「上手く説明はできないのだけど・・」
夢で見た出来事をそのまま話しても、山村くんは戸惑うだけだ。急に少女の事件を離しても理解はされないだろう。
それならこう訊いてみよう。
「ねえ、山村くんは、犬を飼っている?」と訊ねた。
一瞬、沈黙があった。
その沈黙の後、山村くんは、
「どうして、僕が犬を飼っていることを知っているの?」と訊ねた。
彼の疑問に私はこう返した。
「今から話すこと・・信じてくれる?」
そして続けて「山村くんも関係があることなの」と訴えるように言った。
私の問いかけに山村くんは小さく「うん」と頷き、「話を聞くよ」と言った。
山村くんに夢の話をした後、リビングでテレビを見ている父に言った。
「お父さん、今日、時間ある?」
「日曜だからな。家でテレビを見るだけだ」
そう言った父に私は、
「お願いがあるの」と言った。
「何だ、改まって」
「車を出して欲しいの」
私はそう言った。
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