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ぐふっ、ぐふっ・・
ドアの向こうから咳払いのような笑いのような異様な声が聞こえだ。
もちろんか彼の母親なんかではない。男の発する声だ。
そして、渡辺くんではない。おそらく父親でもないだろう。
更に不気味なのは、ドアが完全に開かず、わずか10センチ程の隙間しか開いていないということだ。
誰かがこちらの様子を伺っているのだ。
廊下の照明が暗いせいで、誰が見ているのか分からない。けれど確実に言えるのは異臭が更に強くなっていることだ。
おそらく匂いの源はドアの向こうの人間だろう。
私の目はドアの僅かな隙間に注がれた。そこにある目に釘付けになった。そのあまりの不気味さに私の目も体も金縛りに遭ったように動かなくなった。
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