君が眠りにつくまで、キスを。(仮)

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幾重にも重なる深緑の葉のトンネルを抜けると、茶色いレンガの建物が目の前に広がっていた。 8月中旬、残暑厳しい京都の大学に、私はいた。 ー 律秀大学 これから、ここで4年間過ごすのだ。 キャンパス内には、夏休みだというのに、多くの学生がいる。 みんな、サークルとかしてるのかな? A館3階の英米文学科の教授室にある、加藤先生の部屋をノックした。 「失礼します。安永美希と申しますが、加藤先生はおみえですか?」 「あ、いらっしゃい。安永さん」 加藤先生は穏やかな物腰が柔らかい女性だった。
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