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帰宅
「誠至?」
「ッ!!千秋……っ」
家へ帰ると、アパートの前でウロウロしている誠至がいた。
何でここにいるんだろう、と思って声をかけると一目散に俺のいる場所まで走ってくる。
どことなく焦っている様子だ。顔は真っ青で、眉間に皺が寄っている。
「そんな顔してどうした?」
「どうしたって……お前なあ!それはこっちのセリフだ!今までどこにいた!?今日バイトだっただろ!?」
「あ……」
忘れてた。確かに今日はバイトだった。
いろんなことがあったせいですっかり頭から抜けていた。
オーナーに連絡……、
……まあ今更焦っても仕方ないか。後で部屋でゆっくりやろう。
と、部屋に早く入れてほしいが、誠至の剣幕を見るにそう簡単にはいかなさそうだ。
「いくら待っても来ねえし、電話しても出ねえし……」
「電話?」
そういえば全然スマホ見てなかったな。でもバイブは鳴る設定にしてるし、電話来たら気付くと思うんだけど……
鞄の底に沈んでいたスマホを見てみると……あれ?電源切れてる?いつの間に?
俺電源切った記憶ないんだけど?
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