忍び寄る影

1/33
230人が本棚に入れています
本棚に追加
/297

忍び寄る影

なんとか温泉旅行から無事に帰り、何の変哲も無い日常に戻って――― 「ん?なんだこれ」 戻って……? 只今大学構内。 次の授業の準備をしようとカバンの中に手を入れたら、カサリと何かが指に触れ首を傾げる。 取り出してみると、それは手紙のようだった。 こんなのいつの間に入ったんだろう? 真っ白な封筒に入った真っ白な便箋。 なんだろ、ラブレターかな? ワクワクしながら書かれた文字に目を走らせると――― 『誰とも喋るな』 紙のど真ん中にそれだけが書かれていた。 えっ……ラブレターじゃなかった……。 ガーーーン。 てか誰とも喋るなってそんなの無理じゃね? 全く誰のいたずらだよ〜、と溜息を零して今度こそ筆箱とルーズリーフを取り出す。 丁度講義が始まって、謎の手紙のことは頭の隅に追いやった。 ――――この時、手紙を軽く扱ったことを後に後悔することとなる。
/297

最初のコメントを投稿しよう!