第二話 そうそうに助けた魔女からお礼したいと言われても正体バレたら殺されると思って気が気でない。

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第二話 そうそうに助けた魔女からお礼したいと言われても正体バレたら殺されると思って気が気でない。

前回のあらすじ、盗賊の集団に襲われて逃げていた魔女を助けるため、そのリーダーに手加減した一撃を食らわせ気絶させた。あと四人の相手もしなきゃいけない状況になっているものの、巧海は微塵も緊張してなかった。 「「「「なにもんだテメェ!」」」」 「通りすがりの武士(もののふ)です。」すると盗賊たちは巧海の姿を見て、 「お前がリーダーをやったってのか?リーダーはこの大陸で知らないやつはいねぇ程の大物だぞ!」 「そうですよ!泣く子も黙る盗賊団 月を(ムーン)喰らう(イーター)猟犬(ハウンド)。そして、ここに倒れておられる人は我らのリーダー、ポンド・レヴィアンですよ!」 「これを聞いて震えたろ?」 「命乞いでもすれば金目の物で勘弁してやるよ!」すると巧海は考えた。もし、このまま戦えば、絶対こいつらは死ぬ。出来るだけ人や他の種族達は殺したくないからどうしたものかと。そこで考え付いた。 「なぁ、金目のものがあれば許してくれるのか?」 「ああ。しかし余程の伝説級の武器や防具でもねぇ限りダメだぜ。あんたそれを出すのも無理そうだけどな。」なぜそれを言われたかというと、今の巧海の服装は、みすぼらしくノースリーブのような革シャツと中国道着のようなズボンに草鞋という姿だった。今の見た目からしたら武器ももってなさそうとみられていたようだ。そこで巧海は先ほど試していた無幻武装(むげんぶそう)を使用して武器を生産した。 「無幻武装(むげんぶそう)召喚 斧刀(ふとう)大陸(たいりく)()り」 緑色の刃が禍々しく大きい。刃の腹の中心には太陽のような宝玉が大きく埋め込まれ、そこから血管のように赤い筋が通っていた。 「ホイ。こんな武器でも良いか?」スッと出された斧を見る盗賊たちは慌てふためいていた。 「お、お前!?これとんでもない武器じゃねぇか!?」 「え?」 「え?っじゃねぇよ!!!これ切れ味半端ないぞ!?」 「なに?どうしたの?」キョトン顔の巧海を見ると知的なゴブリン盗賊が、 「失礼します。我々ゴブリンのなかでは希に物品(アーティコル)鑑定(アプレイゾール)と言うスキルを生まれながら持つことがあります。我々五人はそのスキルを用いて見たものの価値や性能など脳内に映像化して見ることができるのです。先ほどあなたが出した武器を見たところ、名前は斧刀(ふとう)大陸(たいりく)()り。片手斧で力の加減を間違えると大陸を割るほどの切れ味がある。にわかに信じ固いですが、このスキルに間違いがあったことはありません。このような武器を気軽に出せるなんて!?」 「あぁ。仕組みを説明すると俺が身に付けてる魔法の無幻武装(むげんぶそう)って言って、俺が頭の中で想像した武器がそのまま具現化して召喚できるって言う魔法なんだ。他にももっと出せるぞ?」と言って、次々に武器を具現化していった。刃が龍の頭になっていて牙の部分が動く刀。 錆びた大刀に鯨の彫刻が施された刀。刃先が尖っていない刀。その様子を見ているゴブリン盗賊たちは唖然としていた。 「まぁ、今回はこのくらいにしておこう。あれ?おい待てよ!他にも持ってて良いよ?」 「「「「勘弁してくれぇぇぇぇぇ!」」」」盗賊たちはリーダーを抱えて、一目散に逃げていった。 「そんなにびっくりすることなのかなぁ?まぁいいや。次元収納(ディメンションストレージ)。」斧刀(ふとう)やその他もろもろの刀を収納して歩き始める。すると先ほどの魔女がステルス魔法をといて駆け寄ってきた。 「はぁ……はぁ……はぁ……。この度は助けていただいてありがとうございます!」 「えっ?あぁ。別に気にしなくて良いですよ。それと……。」巧海は彼女の姿を指差した。気づいたのか彼女も顔を赤くして、 「す、すみません。みすぼらしい姿をお見せして。」とあわてて替えのローブを着て改めて、自己紹介をした。 「初めまして。私はアルテアの村の魔女、ヴェルニデン・カルアです。カルアとお呼びください!先程は助けていただいてありがとうございます!」 「いやいや、当たり前のことを当たり前にやっただけだからさ。俺は龍神王(たつがみおう)巧海(たくみ)だ。よろしく。」二人は握手を交わすとカルアは冷や汗をかきはじめた。 「どうした?」 「い、いえ!?私たち魔女は相手に触れることでどの程度魔力をもってるかわかるのですが……そのぉ……あなたの魔力が異常に高すぎることに驚いてしまっていてそのぉ……あなたの種族を教えてもらえると助かるのですが?」 ここで巧海(たくみ)も冷や汗をかきはじめた。ここでカミュシュエルの言葉を思い出した。 [あなたの種族龍神(ドラゴットレイジン)族は私の世界ではあまりにも力が強すぎるがため、他の種族から嫌われており妬まれております。] ここで自分自身の種族を言って嫌われて一族総出で殺しに来られたらたまったもんじゃない。 「いやぁ、そのぉ……俺実は記憶障害があって、自分の種族を思い出せないんだごめんな。」となんとなく誤魔化した。 「そうなのですね。それはお気の毒です。あの、よかったら私の村近くにあるので寄りませんか?助けていただいたお礼もしたいので。」 「いや、そんなことする必要ないですよ。当たり前のことをやっただけだし、それほどのことはしてないから。」 「いいえ!お礼は受けてもらいます。私たち魔女は対価を得たらそれ相応に答えるのが定め。さっ、行きましょう!」 「うわぁっ、ちょ、ちょっとぉ!?」 カルアに手を引かれ戸惑った。するとカルアは杖を構え詠唱を始めた。 「草花を揺らす優しき風よ。次の命を運ぶかの如く、我らを運びたまえ。凪風(フローディングスクリーン)。」唱えたとたん渦巻く風の絨毯が現れ、巧海たちをのせカルアの住むアルテアに向かった。向かう道中巧海(たくみ)は気になったことをカルアに聞いてみた。 「なぁ、さっきの透明になる魔法ってなんなんだ?」 「先ほどの魔法は、ステルス魔法の存在(イグズィスティンス)遮断(トランプレント)といってかけた対象者の存在を消すんです。一人には勿論、集団にかけることも可能。欠点と言えば集団にかけた場合、存在を遮断してるので声や音をたてても存在を知られない。そして、お互いの存在が見えない状態になります。」 「なるほどな。どおりであの盗賊たちが見逃す訳だ。」巧海(たくみ)がその魔法に感心している中アルテアに到着した。 「さぁ、着きましたよ。」 ついた場所は普通の村だと思ったら大間違いだった。村全体は綺麗な花たちで包まれており、心地よいそよ風が吹くなか、民謡の音楽が流れそのメロディを聞き入るものもいれば、それに合わせ踊るものもいる。まるでいつもお祭り見たいな賑やかさだった。 「綺麗だなぁ……。いつもこんな感じで賑わってるのか?」 「はい!今日は魔法王の誕生祭なのでいつも以上に賑わっているのです!」 すると、村人の一人が横目にカルアを見つけて。 「カルアちゃんか?皆ー!!!カルアちゃんが長旅から帰ってきたぞぉ!」 村人全員が駆け寄り一瞬にしてカルアと巧海(たくみ)の周りを囲った。 「カルアちゃん!お帰り!今日帰ってくるなら手紙を寄越してくれれば良かったのに。」 「色々忙しくてダメだったのよ。」 「カルアちゃん、心配してたのよ。」 「うん。でも、大丈夫よ。そうそう、さっきゴブリンの盗賊に襲われたところを助けてくれた人を連れてきたの。」巧海(たくみ)の腕を引っ張って、 「この方が私を救ってくださった人よ。」 「は、初めまして。龍神王(たつがみおう)巧海(たくみ)です。」巧海(たくみ)を見ると笑顔でいてもやはり冷や汗をかきまくりで一部の方は震えたりしていた。すると一人の魔女がカルアに尋ねた。 「カルア……この方ただ者じゃないわよね?魔力量が尋常じゃないのよ。こんな魔力……魔神や神の一族……いや、その一族ですらもごく稀にしか見ない位なのよ。一体この人はどの種族なの?」 「それがわからないの。巧海(たくみ)さんも記憶障害で自分の種族がわからないのよ。」 このやり取りをしてるなか一番落ち着かないのは巧海(たくみ)自身である。 [ヤバい!まだバレてないから良いが。バレたらバレたで戦闘になると皆殺ししかねないし。どうやったらいいんだ。]そうこう巧海(たくみ)が悩んでるうちに、 「一体何の騒ぎじゃ!」一人の魔女が声を上げてよってきた。見た目はなんとも可愛らしい幼女なのだが年相応の実力者ではないことを巧海(たくみ)は直感で感じた。 「村長!実はカルアが帰ってきたのを村一同で迎えていました。」 「なぬ!?愛しのカルアたんが帰ってきたのか!?そこをどくのじゃっ!!」ゲシッ! 「あうっ!?」村人の集団を次々とのけていき集まりの中心部まで来ると、 「師匠!!ご無沙汰です!」 「うぉぉ!我が愛しのカルアたん。久しいぃのう。ほれぇ再開のハグじゃぁ。」とカルアに飛びつき二人は抱きしめあった。しかし、村長の方が様子がおかしい。抱き合ったかと思えば、カルアの胸に顔を埋めて、 「はぁ。これじゃこれこれ。この柔らかさその若さでこのような男殺しの武器を持つとはけしからんのぅ。にしてもまた大きくなったのではないか?」とめちゃくちゃカルアの胸に顔を埋めてスリスリして堪能するロリバ……幼女村長にカルアは、 「やめんかい!この変態魔女!!」とげんこつをかました。 「いたたぁ。つれないのぅ。そんなんだから彼氏の一人もできんのじゃよ。」 「余計なお世話です。全く相変わらずですね!!村長。あなたが年相応の男性なら犯罪ですよ!!」と地面に突っ伏した村長見下げる形でいい放つ。 「まぁ、よいではないかぁ女の子どうしであるわけじゃし。」そういいつつカルアの足元に近づき今度はローブの裾を上げて潜り込んだ。 「ほほう。今日のお下着は黒か。またまたエッティ下着をつけとるもんだのう。」中でニヤニヤとエロ親父みたく中身を楽しむ村長はカルアが顔を赤らめてるなか、今度は股間に顔を埋める。 「ちょ、やめんかいこの変態ロリババァ!」 「よいではないかよいではないか。はぁ……はぁ。これじゃぁ。このかぐわしきカルアたん(パルファム)り。はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」 「このぉ……変態ロリババァ!」カルアは指で魔方陣を書き詠唱した。 「我にとりつく不埒者を飛ばせ、衝撃波(インパクトウェイブ)。」カルアの体を伝わり衝撃波が放たれロリババ村長を飛ばした。 「いたたぁ。魔法の威力も上がっておるのか。成長したのぅ。さすが我が弟子じゃ。」話の中でも出てきたが二人は師弟関係らしい。村人達はこの光景を見慣れているのか、村長にたいしての目が完全に汚物をみる目になっていた。 「それはそうと。師匠、私先ほどゴブリンに襲われてたところを助けていただいた方をお連れしました。巧海(たくみ)さん、こちらがロリバ……じゃなくて、アルテア村の村長の魔女長、クライル・ベルニカです。」 「ベルニカと呼んでくれて構わんぞ!ほう、そなたがワシの愛しのカルアたんを助けたやつか。ほう。」巧海(たくみ)の隅々までみたベルニカの顔は嫌悪感を露にしていた。その顔をみた巧海(たくみ)は、表情には出さずに心の中でぱにくっていた。 [やべぇ。絶対これ怪しんでるよ!?絶対バレてるよ!?そりゃあそうだよ。カルアさんの師匠さんだから、恐らく触れずにみるだけでわかる筈だ。あぁもろもろバレるだろうな。どうしようぅ。] 「ふーん。確かにただ者ではない気配、魔力を持っておるのう。ワシはひどい目にあったのじゃぞ。急に炎のデカイ弾が来てワシの防御魔法要塞(フォートレス)絶壁(プレッセパルス)を唱えてなければ村は半壊していたのじゃが恐らくお主であろうなぁ?まぁ、そんなことはどうでもいいのじゃ。ワシのカルアたんがローブの下が直接エッティお下着になってるのが重要なのじゃが。おめぇ、ワシのカルアたんに手ぇだしてねぇだろうな?おおん?」睨みを効かせて聞くが、 「いいえ。見ず知らずの他人に、手を出すほど落ちぶれてはおりません。カルアさんの服を剥いだのは襲ってきたゴブリンの奴等です。俺はそいつらを撃退しただけですよ。」と堂々と答えた。しかし、 「それでも、カルアたんのエッティ下着を見たのだろう?たわわに実った男殺しの果実すなわちカイデーぱいおつを見たのだろう?プリチィーなお尻も見たのだろう?よいかぁ!カルアたんの色々を見ていいのはワシだけじゃ!」 「良い分けないでしょう!」とカルアがベルニカを杖で脳天をぶった。 「いたッ。何をするのじゃ!?」 「私を助けてくれた恩人に対して失礼ですよ!それに私のことを思うのであれば、助けてくれた恩人は丁重に扱うべきではないですか?」カルアの言い分がごもっともと言いたげに村人全員はうんうん、そうだその通りだ!と言いたげに頷いた。しかし、ベルニカは納得しておらず、 「嫌じゃ!この愚か者をぶちのめさなければ納得がいかぬのじゃ!勝負じゃ!ルールはシンプルにワシの放つ魔法を防御魔法かその体で受け止め切れたらおぬしの勝ち、防御魔法が破れておぬしの体が耐えきれなかったらワシの勝ちじゃ!ワシが勝てばワシの質問に正しく、絶対に答えよ!もし、おぬしが勝てば、おぬしの素性は聞かぬし、おぬしの要求を何でも聞いてやるぞ?例えばそうだなぁ……。」とベルニカは自分のローブの裾を上げて、下着が見えるか見えないかくらいに脚を見せつけて、 「ワシにエッチィ命令をしてもよいのじゃぞ?」と裾をヒラヒラさせてニヤニヤしたが、 「はぁあ。まぁ、その要求はいたしませんが聞きたいこととかありますので、俺の質問に何でも答えるでよろしいでしょうか?」ベルニカはショックを受けた。 「ば、バカな!?こんなプリチィーでいたいけな幼女に興味を持たぬだと!?しかも、カルアたんのエッティ下着姿を見ても襲いもしなかったし、まさかこやつ男が好きなのではないのか!?」 「んな分けねぇだろうロリババァ。首のところまで土に埋めるぞ?」ガチのドスヴォイスで睨みを効かした巧海(たくみ)が怖かったのか流石のベルニカも冷や汗をかいた。 「すまぬ。言い過ぎた。では勝負を始めよう。」 襲われた魔女を救ったのに一方的な逆恨みの勝負を申し込まれた一方、巧海(たくみ)に驚かされて月を(ムーン)喰らう(イーター)猟犬(ハウンド)達は壊れた基地に戻り現在修復中であった。そこに一人気絶して眠っているやつがいた。月を(ムーン)喰らう(イーター)猟犬(ハウンド)リーダー、ポンド・レヴィアンである。 「あいたたぁ。一体何が起きたんだ?確か女を襲おうとしたところまでは覚えているがその先の記憶がねぇ。」ポンドが目覚めると、修復作業していた四人が集まった。ちなみに、体格のデカイ兄弟は、兄の方がディエド・マレン。弟がディガド・マレン。眼鏡をかけた知的なゴブリンはサリモン・アスクドル。細身で小柄なジャンベルン・グレセントである。いの一番にサリモンがポンドに、 「リーダー!目ぇ覚めたんですね!傷の具合はどうですか?」 「あぁ。顔面以外は問題ねぇよ。おめぇの作る薬はよく効く。」 「ポンドの兄貴!何か欲しいものはねえかい?俺が今すぐにでも用意する!」 「ありがとな、ジャンベルン。お前には、世話になりっぱなしだな。」 「「リーダー。俺たちに出来ることはあるか?俺ら兄弟にかかればどんなことだってやれるぜ!」」 「相変わらずお前ら兄弟は息ぴったりだなディエド、ディガド。やってほしいことは……。」それを聞いて、ポンドは少し考えて、 「いや、ひとつある。ディエド、ディガド。お前達で俺らの拠点を破壊した奴を探してこい。この焼けた後をたどれ。俺の予想が正しければこの先に村がある。恐らくそこにあの魔女と俺をぶちのめしたやつがいる筈だ。慌てる必要はねぇが情報を正確に集めてこい。他のやつらは修復作業を一時中断し、サリモンは回復薬などの生産と量産、及びその他の備品や武器などの調達。ジャンベルンは、俺と一緒に魔導暗殺軍のリーダーシュヴァルツェ・エイブラントというダークエルフに援軍の要請に向かう。あいつとは好敵手(ライバル)にして俺のダチだから加勢してくれる筈だ。質問は?」それに対し同行するジャンベルンが問う。 「アニキ、なぜ魔導暗殺軍を?あの軍団はざっと五千人はいるし、そのリーダーは極めて強者だぞ?」 「あの焼けた道の先には村があるが、確か魔女や魔法使い達だけの村の筈だ。しかもその村長は、かつて世界を滅ぼしかけた最強の魔女か魔法使いだと思う。そうでなくともその村の戦力に対して俺たちだけでは少なすぎる。それに、村の奴等だけで良いなら軍の数は半分くらいでいい。しかし、俺をのした奴は、実力は未知数だが強い筈だ。 それを計算に入れるなら五千人は、もしかしたら少ないかも知れねぇ。用心には越したことはねぇ。だからこそここまでの用意をするんだ。わかったな?」 「アニキがそういうのであれば間違いはねぇだろう。アニキの予想は外れることが珍しいからな。」 「よし、とにかくお前ら気ぃ引き締めていくぞ!」 「「「「おう!」」」」ゴブリン盗賊団はそれぞれの役割を果たすため今日からさらに奮闘し始めた。そして、アルテア村では祭りの余興として、村長ベルニカVS巧海(たくみ)の魔法耐久対決が開催された。 「さぁ、さぁ、さぁ。急遽始まりました。魔法耐久対決!司会及び実況は私、魔法王誕生祭実行委員にしてアルテア村一の情報屋カモミル・ジャスミスがお送りいたしまぁす!」急遽作られた闘技場の客席は満席になっており大いに盛り上がっていた。恐らく村人の半数がいる。 「因みに今回客席で見れない方々のために魔水晶にて対決の様子を見れます!これなかった方々もお楽しみください!さぁ、対決する二人の入場です!」闘技場の両端の門が同時に開きまずはベルニカの入場。 「赤コーナー我等が村の村長にして最強の魔女そのいたいけな見た目に惑わされるな!実年齢355歳独身。ロリババ魔女長!クライル・ベルニカ!!」 「実年齢と独身は余計じゃ!」 次は巧海(たくみ)が入場し、上半身は裸に両腕と体に胸の下まで巻かれた包帯姿で下は変わらず中国道着をはいている。 「続きまして、青コーナー私たちの仲間カルアを助けてくれた恩人。実力未知数だが体格と魔力量は桁外れ。龍神王(たつがみおう)巧海(たくみ)!!」 「気合い入れていくぜ!」 「ほう。なかなか良い体しておるではないか?ワシ以外の女達はほっとかぬであろうな。」ベルニカの目線の先を見ると若い魔女達は顔を手で覆うけど、指の隙間から覗いており、熟練だとしても見た目が若い魔女達はまじまじと巧海(たくみ)の体を見て、 「ねぇ、あのカルアを助けた子さぁ。なんかいいんじゃない?あの肉体そそるわぁ。」 「年齢も私たちより下っぽいけどしっかりしてそうだし、なおかつ顔もイケメンよねぇ。」 「これ終わったら彼女いるとか聞いてみましょうよ!それか私達でお誘いしてみましょうよ!色々教えてあげましょう。大人の手解きとか?」 「「きぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」と興奮の声をあげたが巧海(たくみ)には聞こえてなかった。内容は聞いても巧海(たくみ)は普通の反応は見せないだろうと思う。 「さぁ、始めようかのぅ。カルアたんのエッティ下着姿を見たことを後悔させてやるのじゃ!」 「はぁ、理不尽のロリババァが。絶対勝ってやる!」 理不尽にも始まった対決果たして勝者はどちらになるのか……。
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