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東都のカガリ
ボクはかねてから考えていたカガリの事を社長に相談した。
実際のとこ.....
彼女の過去はボクにも分からないし、きっと彼女もハッキリとした自分の事は知らないのだと思っている。
だからこれからの事をどうするのかハッキリさせたいと思った。
カガリはここで一人では生きていけない。
サバイバルだったら生き抜くすべを備えているのだろうけど...
ここでのボクの仕事や生活の事とかは理解出来ないと思う。
でも一縷の望みがあるとすれば学習能力は高そうだと言う事だろう。
「彼女の立ち位置としてボクの恋人として世間に発表したらと思うんだけど...
どうだろうか...社長。」
「そうね...
私もあの娘と話したり色々と考えてみたけど私の秘書って事でどうかと思ってるの。
ただ...あの娘...
住民登録がないみたいなの。
意味さえも分かってないようね。
社会保障とかあったもんじゃないわ。
歳だってそう...20歳位とか...
正確な誕生日すら分かってないみたいだし。
もうめちゃくちゃな人生って感じで可哀想になっちゃった。
しかもあの島の沈没でお祖母ちゃんが亡くなったみたいだし...
天涯孤独なのよね..あの娘。
あなたの恋人も考えたけどゴシップネタで結局、彼女が叩かれて可哀想な事になりそうで...
心配なのよ。」
「カガリはボク達のハカリでは計れない大きな秘めた何かを持っていると思います。そしてボク達の側には長くいないような気もするし....
でも社長の提案がいいと思います。
ある程度の生活費も稼げるしこの環境を知るのにもいいと思います...
が...
住む所をどうするかって事があります。」
「ああ..それは私の住まいで生活させる。
もちろん家の事を教えて色々やってもらうつもり。
それでどうかしら?
トウヤが納得だったら今のまま私とマイコの生活を続ける。」
「社長よろしくお願いします。」
カガリの東都での暮らしは大体決まった。
ボクが所属しているシオン芸能プロはボクを含む10人のタレントと契約している。上は50歳の男優さんから下は10歳の女子の子役さんだ。
ハッキリ言って僕が稼ぎ頭で年収は億をくだらない。
映画俳優に専念してから稼ぎは増えた。
この国ではそこそこ知名度はあるが、
嶋崎も言っていた様に今回の事件で、
より一層知名度が上がった事をここ最近肌身で感じている。
東都に帰り多くの映画オファーが来ているが、本を読んでどれもシックリ来ないので全てNGを出すつもりでいる。
年末年始を迎えてクリスマスだの正月だのと世間は騒がしいがボクは全く普段通りの生活を毎年送っていたが今年はかなり違った。
カガリがボクに粘着しているからだ。
それにボクにとってビッグニュースがもたらされた。
1月下旬に鏡川マイコが東都に引越して来ると言うのだ。
嬉しい反面カガリと上手くやってくれるか心配だった。
原因は全てボクにあるのだが...
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