社長とカガリ

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社長とカガリ

2人が共同生活を始めて2ヶ月が過ぎた。 カガリは家事を随分コナセルようだ。 しかし大食いは変わらず社長は悲鳴を上げている。 秘書の仕事も社長にへばり付きとにかくニコニコしている。 ある日カガリがナガテのマンションに現れた。 そして何かしらモジモジとして要を得ない。 「どうしたカガリ...お腹すいたか?」 ナガテが聞くと、 「うん...それはそうなんだけど... 違うの...どうすればいいか...分かんなくて。 実はね、男から付き合ってくれって言われた。 意味が分からないから色々教えてもらったら、 玉粒(ぎょくりゅう)とか貰うことになるかもしれないの... わたし...ナガテしかダメだし それは今は要らないし...どうしよう...」 カガリは困った顔で頭を傾けた。 「ごめんなさい...好きな人がいるんで... って断ればいいじゃん。」 ナガテがそう言うと、 「でも...はい。 って言っちゃったの... だって社長とか”よく付き合って”って... 言うでしょう。 だからそう言う事かと思ったの。 その男は私の手を握ってありがとうヨロシクね。 って嬉しそうだった。」 カガリは項垂(うなだ)れて上目遣いでナガテを見た。 「カガリはさぁ...その男をどう思ってんの?」 「テレビの会社でよく会うんだけど、 いつも食べる物くれる人。」 「んん...カガリの胃袋の友か... 多分社長との関わりもあるだろうし無下には出来ないからボクが社長と相談して解決する。 だから今度会ったら何も言わず挨拶だけにするようにすればいい。」 「うん分かった...ありがとうナガテ。 それにもう1つ聞いておきたい事があるの...
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