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王都の帝
ナガテ達の住む田舎にも噴煙に含まれた小さい噴石が降り注いだ。
東都方面は常に夕陽のようなオレンジ色に染まっていた。
ナガテ達は東都で何が始まったか全て理解していた。
が...
カガリのお腹が急激に膨らみ始めて出血し意識を失ってしまった。
鏡川医師に連絡しても全く繋がらなかった。
と言うか、何処にも連絡できなくなってしまった。
無医村でもありどうすることも出来ず、
ただただカガリの生命力にかけるしかなかった。
ところが髪の毛は焼け縮れ身体の所々に火傷を負った避難民10数名が村に辿り着いた。顔はそれぞれ黒く汚れ服装で何とか性別が判断出来る状態だった。
ナガテ達は快く受け入れ出来るだけの手当を施していた。
すると...
「トウヤさん...」
避難民の1人が力無く話しかけて来た。
鏡川マイコだった。
王都では生き残った政治家が集まっていた。
国主(首相)は車で避難中に火山弾の直撃を受け車ごと消失した。
帝はこの国の全権を与えられ東都の火山対応を迫られた。
以前に増して噴火のエネルギーは巨大化して近寄ることも出来ず沈静化を待つしかなかった。
そして各地の既存火山や新火山の噴火が起き始め次第にこの国は噴煙に包まれ始め気候変動が懸念され始めた。
帝は和国歴史学の専門家を緊急召集をかけ対応策を模索させた。すると帝宮書庫内に国難古書と言う物がありその中に何らかの書があるのではないかという事を突き止めた。これは帝しか閲覧出来ないようになっていた。
早速、帝は書庫を1人で捜索し始めたが膨大な古書があり何処から手を付けていいのかさえも分からなかった。
不開書にある天尋行苦を見つけるのに4ヶ月の日数を要することになった。
その間、この国は東都だけではなくあらゆる地域で噴火が強まり伝染病、感染症、呼吸器疾患などの病や気温の低下による食料不足が深刻化して餓死者や凍死者まで出るようになっていた。各国の支援も危険地域が多く一部の地区に限定された。
いよいよこの国は手の施しようが無くなって来た。
人心は乱れ流言飛語の中でカガリやナガテの事も含まれていた。
この事態を引き起したのは彼等のせいであんな避難する事を言わなければこんな事態にはならなかった。という逆恨みだった。
誰かの責任にしないと気持ちが収まらなくなり罪人探しが始まるのである。
ナガテ達が引越した先を覚えている者もいた。
そのころ帝は天尋行苦を行う事を決めた。
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